はじめに
こんにちは!10学年差姉弟がモンテッソーリ園生活を経験しているママライター・さっしーmamaです。
突然ですが、「モンテッソーリのお仕事」というと何を思い浮かべますか?
縫いさし・ピンクタワー・ハートバッグ・あけうつし・円柱さしなど、特徴的な教具や生活に根差した能力や基礎学力を育むさまざまなお仕事が浮かぶのではないでしょうか。
今回は、モンテッソーリ園育ちの高1の娘・小1の息子が「卒園後何年経っても心に残っているお気に入りのモンテッソーリのお仕事トップ10」をご紹介します。楽しくて心に残っているお仕事はもちろん、時が経ったからこそ「お仕事で身につけたことがその後役立った」という視点も加わったランキングとなりました。
姉弟大盛り上がりで考えたランキングをみていくと、改めてモンテッソーリのお仕事は魅力がいっぱいだなと実感します。子ども自身が「楽しい」「やってよかった」と感じるお仕事の一例として、おうちモンテッソーリのご参考になれば幸いです!
お気に入りのモンテッソーリのお仕事トップ10
今回のランキングは、わが子2人(高1の娘・小1の息子)が思い出話を語り合いながら、「モンテッソーリ幼稚園で取り組んだモンテッソーリのお仕事」のうち、特にお気に入りのお仕事を10種類ピックアップし、心に残っている順に選んだものです。10位からカウントダウン形式でご紹介します!
2人の意見は一致しているものが多く、弟は若干数学的なものが好きな傾向、姉はもくもくと作業するお仕事が好きな傾向がありました。
そして満場一致ダントツ1位のお仕事とは?
まずは10位から、モンテッソーリのお仕事の魅力をたっぷり満喫しながらご紹介しましょう!
第10位: 「はさみで切るお仕事」
第10位は「はさみで切るお仕事」でした。2人とも「はさみで切れるようになるまでは難しかった」と話しています。
チエコトバ公式Instagramでも動画で紹介されていますね!
本物のはさみを使って、ガイド線に沿って紙を切るのはお子さまにはかなり難易度が高いですが、慣れるとやみつきに(笑)
はさみのお仕事は「提示をしっかり見る」習慣づくりの代表的なものかもしれません。
姉「刃の角度をまっすぐにするのが難しい。慣れてからは無心になって切っていくのが好きだった」
弟「切ったものを袋に入れて持って帰れるけれど、切れば切るほどたくさん持って帰れて満足、やりがいがある」
第9位: 「色水のお仕事」
第9位は「色水のお仕事」でした。わが子の園では、プレスクールや年少さんが入園後早い段階から親しむお仕事の一つです。お水に赤・黄・青の食紅を混ぜて万一飲んでしまっても大丈夫なように作られた色水を、試験管を使ったあけうつしでミックスします。毎日清潔な色水を常に用意してくださっていた園の先生方には脱帽、改めて感謝の気持ちが込み上げます。
同じ組み合わせの色水を混ぜても、混ぜる量で色みが違ったり、赤と青を混ぜると紫など、まるで魔法のように色が変わったりと、新鮮な驚きでいっぱいのお仕事です。自宅でチャレンジしやすいのもいいですね!
姉「色が無限に生み出せる感じがして楽しい、プレスクールでママがこれ好きそうだった(笑)」
弟「小学校でもペットボトルを使って色水づくりをした。自分だけの色を作れるからやっぱり色水は楽しい!」
第8位: 「スタンプ押し」
第8位は「スタンプ押し」でした。わが子の園では、月替わりの言葉をスタンプ押し(ひらがなスタンプ)して、ぬりえをするお仕事がありました。
(例:9月なら「おつきみ」・11月なら「もみじ」など)
インクが染み込ませてあるスタンプから始まり、大きさや種類によってもスタンプを押す感覚や難易度は変わります。
インクパッドでまんべんなくインクをつけて、ひらがなスタンプの文字をきれいに押すのは、大人でも時に至難の業。押している間にずれて二重になったり、均等に押せず絵や字が不完全になったりと、きれいに押せるようまでの過程はなかなか奥深いものです。さらに、枠の中にスタンプを押すなど「ターゲットを定める」ことも、手指のコントロール力がつきます。
絵や字のスタンプ、時には好きなキャラクターのスタンプなど、バリエーションが楽しいお仕事ですね!
姉「スタンプラリーなどでスタンプを押す時、いまだに幼稚園のことを思い出す」
弟「ひらがなスタンプは、まだ字が書けないときにも言葉がどんどん作れて楽しかった」

第7位: 「縫いさし・ビーズ刺繍」
第7位は「縫いさし・ビーズ刺繍」でした。クリスマスブーツ作りやビーズ刺繍の絵の作品など、展示発表をする機会が多いので、お仕事のボリュームが多くて大変ではあるけれど、達成感も大きいお仕事のようです。年齢ごとの成長を感じるお仕事の代表格でもありますね!
ちなみに、クリスマスブーツは娘・息子制作の全作品が毎年わが家のクリスマスツリーに飾られて、ブーツだらけのクリスマスツリーとなっております(笑)
頑張って作った作品が飾られると思い出として残るし、それを作った過程を思い出すというのは大いにあるようです。
姉「自分のイニシャルをビーズ刺繍できたのが大人っぽくて嬉しかった」
弟「針に糸を通す大変さがなければもっとランキングが上になるのに(笑)」
第6位: 「トングを使ったお仕事」
第6位は「トングを使ったお仕事」でした。これも、わが子の園ではプレスクールや年少さんが入園後早い段階から親しむお仕事の一つ。同じトングでも、キューブ状もの、球状のもの、平たいものなど、つかむものごとに手の使い方が異なり、例えば「おはじきをつかむ」などは、パンとはじいてつかみにくく、大変だけれど面白かった!という印象が残っているようです。
つかむ対象だけでなく「トング自体が変わる」時にも、トングの使い方の加減が変わります。
シンプルにお仕事の面白さもありますが、「実生活の食事で使うシーンがあること」「お手伝いにもつながること」も、お気に入りのお仕事となっている要因です。例えば、ラーメン屋さんでもやしや高菜をトングで取ってもらったり、家でおかずの配膳をトングでやってもらったりと、実生活に応用しやすいのも、子どもにとってこのお仕事の満足感が高まる重要ポイントです。
姉「上手に使わないと手が痛くなったりつかんだものを落としたり、コツがいるよね」
弟「これができればサラダバーにも給食当番にも役立つよ!(笑)」

第5位: 「じゃばら折り」
第5位は「じゃばら折り」でした。2枚の細長い色画用紙を交互に追って作るじゃばらは、伸び縮みしたり、押して離すとぴょこんと跳ねたりと、自分自身でもおもちゃを作れた!という達成感と、作ったもので遊べる楽しさがあり、満足度の高いお仕事になっているようです。
二色の色の組み合わせや、作るじゃばらの長さで出来上がりの感じも大きく変わります。紙織りやハートバッグなど、「組み合わせる」お仕事が多いモンテッソーリのお仕事の中でも、じゃばら折りは「簡単に始められる」「成果物が遊びに直結する」点で、取り組みやすいかもしれません!
姉「毎日こればかり作って帰っていたなぁ。作品集がじゃばらのせいでボリュームがおかしなことになっていた(笑)」
弟「何するのにも結構しゃべりながら作業することが多いけど、じゃばらしていると言葉が出なくなる…」
第4位: 「蝶結びのお仕事」
第4位は「蝶結びのお仕事」でした。2人とも、スムーズにできるようになったタイプではなく、かなり苦労して、しかもしばらくすると忘れる(笑)という、あまり得意分野ではないお仕事なのですが、「役に立った」と感じる機会が多いのでランキング上位に入ったようです。
年長児の時に蝶結びができるようになる子が多く、その頃は、私がリボンや紐がついた服をうっかり着ていくとクラスのみんなが集まってきて何度も蝶結びをしてもらい続けるハメになったのもいい思い出です。
息子のお友達にパーカーのひもを首元までかなり絞ってきつく蝶結びされ、「頑張って蝶結びしたからそのまま取らないでね!」と言われて、そのまま着て帰り洗濯まで解かなかったのですが、蝶結びをするとみんな誇らしげな表情が印象的です!子どもにとって、できた達成感が特に強いお仕事なのでしょうね。
姉「リボンモチーフの服が好きだから毎日のように蝶結びするし、アルバイトのエプロンも蝶結び」
弟「教えてもらったとおりにやると縦結びにならないんだよね!」

番外編: 「ぞうきんがけのお仕事」
トップ3の前に番外編。決してお気に入りではない!?ものの、話題が盛り上がったのが「ぞうきんがけのお仕事」。小1息子にとっては「ぞうきんがけの掃除当番」をかなり重いタスクと思っている節があり、それに共感する娘と、ぞうきんがけのお仕事の話が盛り上がりました。ぞうきんがけの掃除当番の週は「今週はハズレ週」なんて言いながらも、幼稚園のぞうきんがけは結構面白がってやっていたようです。
姉「ぞうきんを隣の列にお引っ越ししてずらして拭いていくと、拭きのこしがないんだよね」
弟「幼稚園は薄め小さめの雑巾だからやりやすかった。みんなの前で机のぞうきんがけの発表するのも面白かった」
第3位: 「ゆびあみマフラー」
第3位は「ゆびあみマフラー」でした。年長の準・卒園制作でみんなでゆびあみマフラーを作っていて、長期間かけて長いマフラーを作りました。
息子も数名のおともだちと一緒に最後まで苦労して作りましたが、完成品を首に巻いてホッとした笑顔で写真にうつる表情に、完成までの大変さと達成感を感じました。
縫いさしやゆびあみは「女の子向き」とされることも多いお仕事ですが、どっぷりハマってひたすら集中してやっている男の子が多い印象もあります。
息子曰く「長い時間かけて完成したらもう春だった」というくらい根気のいる長時間作業ですが、そのぶん、自分で選んだ色、自分で編んだ編み目、冬に実際に使える喜びを感じていて、トップ3となりました。
姉「高校のイベントで、古い毛糸を使ってゆびあみでエコたわしを作った!」
弟「自分で作ったマフラーを小学校に巻いていくのが今から楽しみ!」
第2位: 「お菓子づくりのお仕事」
第2位は「お菓子づくりのお仕事」でした。ホットケーキ作りが特に好きで、クッキー作りとともに、幼稚園で特にお気に入りのお仕事・家でももっと作りたいと感じている「一番大好きなお仕事」という表現が会話の中で使われていました。
お菓子作りでは、「ボウル」「ゴムべら」「めんぼう」などのように、道具の名前を教えてもらい、一緒に復唱して名前を覚えるのもモンテッソーリのお仕事としての一部です。
また、こぼさない力加減や、熱い部分・危ない部分に触れないこと、後片付けなども含まれ、多要素からなるお仕事です。
もちろん、出来上がったものは美味しくいただき、自分で作って食べられる満足感は何物にも変えがたい喜びがあります。
おうちモンテでのクッキー作りを紹介しているコラムもあわせてご覧ください。
姉「ホットケーキ作りの日は嬉しかった!幼稚園レシピの生地の香りが忘れられない」
弟「いろんな料理やお菓子作りが得意な人になりたい!」
第1位: 「ごますりのお仕事」
第1位は「ごますりのお仕事」でした。入園時に母子分離が嫌で泣いてばかりだった姉弟にとって、心を落ち着けるおまじないのようだった「ごますりのお仕事」は、2人にとって特別に大切なお仕事として、ダントツ1位、満場一致でした。
そもそも、お気に入りのお仕事について話そうとなった時に、2人が完全に声を揃えて真っ先に挙げたのが「ごますりのお仕事」でした。
わが子たちにとって入園時の安心材料となった「ごますりのお仕事」に関するコラムもあわせてご覧ください。
すり鉢にごまを入れ、ひたすら無心ですり続ける。子どもたち曰く、慣れて上達するほどに、できたごまがきめ細かくなってきて、自分の成長を感じたといいます。
簡単に始められて奥が深いお仕事だとも話していました。
第2位に引き続き食育に関連する分野で、生活や食に直結するお仕事は子どもにとって嬉しく達成感・満足感・自分のしたお仕事の効力感を感じられるからこそ、お気に入りとしてたくさんやってみたいと感じているのだなと思いました。
姉「すったごまはお弁当のおにぎりに使って食べていたのが心に残っている」
弟「とんかつ屋さんのごますりは大人の分も担当するよ!」
第2位:「お菓子づくりのお仕事」
第3位:「ゆびあみマフラー」
第4位:「蝶結びのお仕事」
第5位:「じゃばら折り」
第6位:「トングを使ったお仕事」
第7位:「縫いさし・ビーズ刺繍」
第8位:「スタンプ押し」
第9位:「色水のお仕事」
第10位:「はさみで切るお仕事」
番外編:「ぞうきんがけのお仕事」
まとめ
今回は、わが家の高1の娘・小1の息子が卒園後時間が経っても「心に残っているお気に入りのモンテッソーリのお仕事トップ10」をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
お仕事は楽しいからお気に入りになるだけではなく、苦労してできるようになったり、実生活で役立つシーンを体験することでお仕事の価値を見出したり、「自分の食べるものや身につけるものが自分で作れた」などの達成感を感じると、大切なお仕事として心に残り、ますます好きになるのかなと感じました。
そして、大好きなお仕事のそばにはいつも「あたたかい思い出」があるように感じました。お仕事をする時間が幼い日の優しい思い出になり、同時にそばにいたおうちの方や園・教室の先生の笑顔が思い出されるのではないでしょうか。
お子さまの成長に役立つモンテッソーリのお仕事は、幼い子どもの心に達成感と満足感をもたらすとともに、最高の思い出づくりのきっかけでもあるのかもしれません。
子どもたちの心と体が思いっきり喜ぶお仕事が見つかりますように。
そして、そのお仕事が、おうちの方とのかけがえのない時間をもたらしてくれますように!