はじめに
教育や子育てを取り巻く環境は大きく変化しています。なかでも最近は、ChatGPTをはじめとする生成AIの影響が大きくなっています。筆者もこの1年、学校の先生や保護者の方とお話しするなかで、生成AIの話題が多く挙がったことを感じています。技術革新は今後も続くでしょう。そんな今改めて考えたいのが、「手を使った具体的な学び」の意義です。
今回は、身体や五感を使った学びを大切にするモンテッソーリ教育のエッセンスも交えながら、技術革新が目覚ましいこれからの時代を生きる子ども達にとって、手を使った具体的な学びの意義について考えていきたいと思います。
生成AI時代に手を使う意味
今やスマホひとつでなんでもできますし、生成AIに聞けば一瞬で答えを教えてくれます。ボタンを押すどころかタッチレスも多い日常生活では、手を動かす機会は確実に減っています。便利な時代と言えますが、子ども達にとっては良いとは言えない側面があります。なぜなら、手を使うことは子ども達の成長や発達にとって非常に重要な役割を担うからです。
「手を使うこと=脳を育てること」と言われるくらい、手や指の動きは脳と密接にかかわっています。「手指は第二の脳」と言われるのも、手指には脳に繋がっている神経がたくさんあり、手指を動かすことで脳が刺激されるためです。よく動く手をつくることは、知性の基礎となります。脳の発達は0歳から6歳頃までに約80%形成されることが明らかになっており、幼児期に手をたくさん動かして、体験を通してよく動く手をつくることはとても大切です。
また、よく動く手は自立にも大きく関わります。例えば、ボタンやファスナーがついている服を一人で着たり、スプーンやフォーク、お箸を正しく持ったりするためには、しっかり動く手指が不可欠です。つまり、手や指先の調整能力は、知能だけでなく心や性格などにも影響する力なのです。
モンテッソーリ教育は手を使って知性を伸ばす
チエコトバが教育理念に取り入れているモンテッソーリ教育では、100年以上前から手を使う必要性を唱えており、手を使って具体的に学ぶことを重視しています。見るだけ、聴くだけよりも、実際に手を動かして学んだ方がより深く理解できたという経験がある方も多いのではないでしょうか。
モンテッソーリ教育の創始者マリア・モンテッソーリは、「手は人間に与えられた莫大な宝ともいうべき器官」であり、「手を使えば、子どもの知性をもっと高いレベルまで伸ばすことができるし、子どもの個性もより強くなる」と言っています。
モンテッソーリ教育では、「子どもは動きながら学ぶ」とよく言われますが、知性・抽象概念は動くことで獲得されます。だからこそ、幼児、小学生の時期は特に身体、具体物を使った学びが効果的なのです。この時期は、身体感覚が非常に鋭く、身体を使って動きながら学ぶことが大好きな時期です。子ども自身が「手を使ってやってみたい」と思うので、それを促す環境が重要になります。
モンテッソーリ教育で使う教具にも、手先を使うものがたくさんあります。1歳2歳のお子さまでも、「切る」「あけうつす」「貼る」など手を使うお仕事に集中している姿がよく見られます。

3歳頃からは、「織る」「編む」「縫う」など、繊細の手指の動きが要求される活動も難なくできるようになります。

また、筆者自身が現場で常々感じているのは、手を使って具体的に学ぶ学び方の良さは、自ら試行錯誤できる点にあることです。チエコトバでのレッスンを見ていても、子どもたちは「ああでもない。こうでもない」と主体的に手を動かし試行錯誤します。聞くだけ、見るだけの学びは受け身になりがちですが、自ら手を動かし、試行錯誤する学びは、発見した時の喜びも大きく、心に強く残ります。
これは生成AIの時代を生きる子ども達にとって、自分の力を最大限に発揮する原動力となるのではないかと考えます。
今すぐおうちでできる「手仕事」
とはいえ、「家で、モンテッソーリのような活動はできない・・・」と思っている方もいるかと思います。
実は、「家事」こそ、手先を使う最適な活動です。モンテッソーリ教育でも、『日常生活の練習』という1分野で、家事を位置付けているくらいです。モンテッソーリ園や教室では、「洗濯」のお仕事や「きゅうりを切る」お仕事など、子どもたちが目を輝かせて夢中になっている姿が見られます。
全部を任せることは難しくても、「レタスを洗ってもらう」「洗濯かごを運んでもらう」など、小さな子どもでも一人でできそうな家事はたくさんあります。目の前のお子さまを観察して、一人でやりたがっていることから任せてみましょう。たくさん手を動かすうちに、指先が器用になるのがわかると思います。
特に年末年始は、大掃除やお正月料理の準備などお手伝いの機会もたくさんあるでしょう。普段は便利なデジタル家電に任せがちな方も(筆者もその一人です)、お子さまと一緒に手を動かして汗をかいて家事をしてみるのもいいですね。一緒に楽しんでくれる人がいることで、ますますその活動が楽しくなり、自分を信じる力につながっていくでしょう。親子の絆も生まれます。
技術革新が目覚ましくVUCA(物事の不確実性が高く、将来の予想が困難な状況)の時代を生きる子ども達だからこそ、特に幼児期から小学校低学年の時期にかけては、自分の手や身体を動かす体験を大事にしてほしいと思います。
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