何歳から始めればいい?書き順は大事?幼児期の「ひらがな学習」 ギモンを解決!

はじめに

入園・入学、進級を前に
「そろそろひらがなを覚えてほしいな・・・」
「園でお友だちからもらったお手紙が上手でびっくり!うちの子まだ全然書こうとしないのだけれど・・・」
「ひらがなを書いているけれど書き順がめちゃくちゃ。直した方がいい?」
など、ひらがなにまつわる様々なお悩みをお伺いします。

言葉に強い感受性が表れる幼児期に、ひらがなをどのように導入していけば無理なく自然に身につくのでしょうか?
そして、ひらがなへの興味をきっかけに将来の学力につなげられるような関わり方とはどのようなものなのでしょうか?

今回は、これまで多く寄せられた幼児期の「ひらがな学習」にまつわる様々なギモンにお答えします。

「ひらがな学習」は学びの基盤づくりの第一歩

言語能力は、これからの学びの基盤となります。自分の考えを伝えたり、他者と協働したりするのに、言語能力は重要ですし、思考力や読解力、表現力などにも直結します。「ひらがな学習」は、学びの基盤づくりの第一歩と言えるでしょう。

モンテッソーリ教育には、「言語の敏感期」があります。言語の敏感期とは、言葉や文字に興味を持つ時期です。この時期の子どもは、学んでいるという意識すらなく集中しているうちに、いとも簡単に言葉や文字を吸収します。子ども自身がそのことを学びたいと強く願っているので、無理強いしなくても楽しく効果的に学べるのです。

 「いつの間にか、子どもがすらすらと話し始めてびっくりした」という声をよく聞きますが、これも言語の敏感期の成せる技です。言語への感受性が強く表れる幼児期にひらがな学習を始めることは、発達段階から見ても理に適っているのです。

子どもを観察して「言語の敏感期」にあるなと思ったら、どういった形でひらがなを導入すればいいのか、どうすれば興味をかきたて、力を伸ばせるのか考え、環境を整えていけるといいですね。

とはいえ、やみくもにひらがなドリルをやればいいわけではありません。ひらがなに限りませんが、子どもの発達段階や意欲を無視した詰め込み学習は弊害の方が大きいもの。子どもの「学びたい」という自然な欲求に沿って無理なく楽しく効果的に学ぶにはどんなことを意識すればいいのでしょうか?

これまでに多く寄せられたひらがな学習にまつわるギモンについて、小学校以降の学習も踏まえてお答えします。

ギモン①: ひらがな学習、何歳から始めればいいの?

早く始めればよいというものではありません。そもそも、ひらがなを早く覚えたからといって学力が高くなるわけではありません。強制して嫌いになっては本末転倒。

「言語の敏感期」のなかでも、文字を媒介とした言語活動への興味が増す「書きことばの敏感期」があります。個人差がありますが、年中頃から文字に興味を示す子どもが増えてきます。身の回りの文字に興味を示したり、拾い読みをしたりしていたら「読み」の学習の始め時。鉛筆を持って記号のようなものを書いたり、お手紙交換がブームになったりしたら、「書き」の学習の始め時です。

出発点はやはり、目の前の子どもが今何に興味を持っているのか、何をできるようになりたがっているのかを知ることです。

よく「もうすぐ入学なのに、ひらがながまだまだで焦る」という相談も受けますが、学習指導要領では、小1で全部のひらがなの読み書きができるように定められています。

小学校入学後に国語科の授業の中で丁寧に学びますので、入学までに完璧にしなければいけないとやみくもにドリル学習を行う必要はないと考えます。入学までに、自分の名前のひらがなが読める、できれば書けることを目安にしておくとよいでしょう。

ギモン②: 「書き」と「読み」の学習、どちらを先にやればいい?

幼児にとって「読んで理解する」のは実は非常に高度なこと。モンテッソーリ教育では「読み」よりも「書き」を先に始めます。とはいえ、本を読むのは好きだけれどなかなか書きたがらない子もいます。そういう子は「聞く」「読む」活動に時間を割いた方がよいでしょう。お子さまの興味関心がどちらに向かっているかを大事にしましょう。

「書き」について、なぞり書きは、あそびの一環として取り入れやすいので2歳3歳でもはじめやすいでしょう。市販のドリルもたくさん出ているので活用するのもいいですね。

最初は、形がシンプルで書きやすい「し」「く」「へ」「の」などから始めるといいでしょう。自分や家族の名前を書きたがる子も多いです。大きめのお手本をつくったり、書いたものを壁に貼ったりするなど、意欲をサポートしてあげたいですね。

ギモン③: ひらがなにはまだ興味を示さない2歳です。今からできることは?

ひらがなを書くためには、よく動く手、形の認識能力などが必要です。はさみやシール貼りなどは、家庭で行いやすいうえ、この時期の手指の発達を促すのに最適な活動です。手指が発達していることは、正しく鉛筆を持ち、適切な筆圧で書くための土台となります。

クレヨンで絵を描いたり、色鉛筆で形をなぞったりすることも、ひらがなの準備になります。

モンテッソーリ教育では、ひらがなを書く準備として2歳頃から「メタルインセッツ」というお仕事を行います。直線や曲線で囲まれた図形を色鉛筆でなぞって、色を塗ります。このお仕事を何度も繰り返すうちに、思い通りに動く手としなやかな手首が育ち、鉛筆を正しく使う力が自然に身につきます。

ギモン④: 字形や書き順がめちゃくちゃ。指摘してもいい?

ひらがなは複雑な形が組み合わさっています。最初はおうちの方が、ゆっくり書いて運筆の見本を見せましょう。ただ、最初から字形や書き順が正しいかにこだわると、「書きたい」という意欲を失いかねません。幼児期に大切なのは「書きたい」という意欲、「書けた」という達成感です。

字形は読み手に正しく読んでもらうために、書き順は字形の整った文字を無理なく速く書くために、大切です。小学校で、一字一句「とめ」「はね」「はらい」を指導された経験がある方も多いでしょう。一方で、デジタル化も進む中で、字形や書き順に関しては、どこまで指導するのがよいのか国としても議論が行われているところです。

文部科学省も、読む・書くことに苦手意識がある子どもに対して『筆順にこだわらず、最終的に「形」があっていれば「○」とする評価の検討』『「とめ」や「はね」、「はらい」などには気にせずに「伝わること」「読めること」を優先した評価』などの指導事例も提示しています。

幼児期のひらがな学習では特に、字形や筆順の正しさよりも、子どもが自分なりに形をとらえて、のびのびと書くことを大事にしたいですね。

ギモン⑤: ひらがなへの興味から学力につなげるには?

ひらがなに興味が出て、読んだり書いたりすることを楽しむようになったら、それをきっかけに学力にもつなげたいと願う方も多いでしょう。

「言語の敏感期」には急速に言葉を獲得します。この時期におうちの方が意識したいのは、語彙を豊かにすること。

小学校学習指導要領にもこんな記述があります。

『中央教育審議会答申において、「小学校低学年の学力差の大きな背景に語彙の量と質の違いがある」と指摘されているように、語彙は、全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となる言語能力の重要な要素である。』出展:【国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説

小学校以降の学びにも密接につながってくる語彙を豊かにするためには、幼児期からたくさんの言葉に触れることが大事です。例えば、お子さまとの会話。ついつい「あれ」「これ」で済ませていませんか? 親子の間では、「あれ」「これ」でも通じてしまうかもしれません。しかし、能力を育むという観点で言えば、「あれ」「これ」で済ませず、具体的に正しく話す習慣をつけたいものです。 

また、感覚の敏感期でもある幼児期は、経験から語彙を豊かにすることが最も自然です。体験を通してインプットした言葉は、イメージとともに深く心に残ります。

昔ながらの「しりとり」や「かるた」なども、楽しみながら語彙を豊かにしてくれます。絵本は、音を楽しむことで語彙を豊かにするだけでなく、感性も発達させてくれます。ひらがなを読むようになったら図鑑もお薦めです。名前と写真を一致させることで、語彙も自然に増えます。

興味や習熟度に合わせた学びが大事

ひらがなは、全ての学習の基礎となる大事なものですが、ひらがなに興味を持つ時期も習熟度も子どもによって様々。したがって周囲と比べて焦るのは禁物です。

興味に応じてどんどんひらがな学習を進めるのも、興味を持てるような環境づくりもよいですが、強制や教え込みにならないように気をつけたいところです。

ひらがなへの興味や関心を大事に育てて、小学校以降への確かな土台を築いていきたいですね。

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例えば「ひらがな学習」ひとつとっても

  • うちの子、今は書くことに興味がないみたいだけれど絵本は大好き。どういう進め方がいい?
  • ひらがなはすらすら書くようになりました。ここから学びを広げていくには?
  • 手の力が弱いみたいで鉛筆が持ちにくそう。お薦めの教材や文房具は?

など様々なお悩みがあるでしょう。

お子さまの状況やご家庭の教育方針などを丁寧にヒアリングしながら、最適な学び方を一緒に考えます。

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