はじめに
こんにちは!10学年差姉弟がモンテッソーリ園生活を経験しているママライター・さっしーmamaです。当連載も、おかげさまで第15回を迎えました。ご愛読いただきありがとうございます!
実はこれまでの連載の中で今も根強く人気なのが、第5回・モンテッソーリ園での経験を活かして「クッキーづくり」でおうちモンテです。
やっぱりお菓子づくりは楽しいですよね!モンテッソーリ教育が気になっている方だけでなく、「食育」や「クッキーづくり」で検索してたどり着いている方も多いとのこと。
そこで今回は、お菓子づくりのおうちモンテ第2弾として、「ホットケーキづくり」を取り上げます。ちょっぴりスペシャルに「カラフルホットケーキ」を作ってみましょう!

「お菓子づくりのお仕事」は、第13回・モンテッソーリ園育ちの高校生&小学生に聞いた!心に残るモンテッソーリのお仕事トップ10でも第2位で紹介した、子どもの心に大切な思い出として強く残っているお仕事です。今回も、「ホットケーキをつくりたい!」と息子にせがまれたことがきっかけでこのメニューになりました。
おうちモンテが気になる方だけでなく、お子さまとお菓子づくりを楽しみたい方にも読んでいただきたい特集としてお届けします!ご家族でワイワイお菓子づくりをするなかで、肩の力を抜いておうちモンテのエッセンスを気軽に楽しんでくださいね。何より、お子さまの笑顔と大切な思い出づくりのきっかけになれば幸いです!
ホットケーキづくりは 2歳からできる!子どもが活躍するポイント
ホットケーキづくりの基本の流れと子どもが活躍する5つのポイント

今回は、市販のホットケーキミックスを使って、ホットプレートでホットケーキを作ります。
- ホットケーキミックス・牛乳または水・卵を、ホットケーキミックスに記載された分量混ぜ合わせる(カラフルホットケーキの生地づくりは後述)
- 160度に熱し、軽く油またはバターをひいたホットプレートに、おたまを使って生地を流し込む
- ふつふつと焼けて気泡がふくれ、その気泡が割れて穴が増えてきたらフライ返しでひっくり返す
- 数度ひっくり返して焼き色がついたらホットプレートから引き上げる
- お皿に盛り付け完成。フルーツを添えたりバター・シロップ・ソースなどお好みでプラスしたりするとさらにおいしく
このなかでも子どもが活躍できるポイントは5つです。
- 準備
- 生地を混ぜる
- 生地を焼く
- 飾りつけ・盛り付け
- 片付け
小さなお子さまや慣れないうちは②生地を混ぜるところから始め、成長段階に応じて④飾りつけ・盛り付けにも参加してもらいます。興味があるところ・得意なところを少しずつプラスしていく、大人と子どもの段階的分業スタイルで進めるとうまくいきます。
子どもの年齢・成長ペースに合わせたホットケーキづくり
熱いホットプレートを使うホットケーキづくりは、子ども(特に幼児)にはハードルが高いのでは?と感じる方も多いかもしれませんが、年齢や成長段階に応じて子どもが担当する範囲を少しずつ増やしていくことで、どの年齢のお子さまにも気軽に楽しんでいただけます。わが子の通ったモンテッソーリ園でも、プレスクールの2歳頃からホットケーキづくりを楽しんでいます。
【年齢・成長段階に合わせたホットケーキづくりの作業例】
※前段階の年齢にプラスして参加工程が増えます
2歳
・手を洗う
・道具や材料の名前を知る
・生地を大人と一緒にくるくる混ぜる
・大人のつくり方を見る(提示・観察)
・ホットプレートは熱くてあぶない・さわらないことを学ぶ
3歳
・買い出しを手伝う
・道具や材料の名前を覚える(名前クイズなどがおすすめ)
・生地づくりをする(ホットケーキミックス・牛乳・卵を入れて混ぜる)
・大人と一緒に卵を割る
・大人と一緒におたまを持ってホットプレートに生地を流し込む
・大人と一緒に飾りつけ・盛り付けをする
・食べた後の片付けを手伝う
・お皿を大人と一緒に洗う
4歳
・材料の準備を手伝う
・材料のグラム数などを大人と一緒にはかる
・卵を割るチャレンジをする
・大人がすぐ補助できる状態で、自分でおたまを使ってホットプレートに生地を
流し込む
・ホットケーキを裏返すタイミングを知る
・大人と一緒にホットケーキを裏返す
・お皿を自分で洗う
5歳
・必要な材料や道具を大人と一緒に考える
・買い出しリストを作って買い物をする
・「次は何をするといいかな?」と工程を一緒に考える
・自分で卵を割ってみる
・生地をホットプレートに流し込むかたちを工夫する(ハート型など)
・思い思いに飾りつけする
6歳
・買い出しや準備に「できることあるかな?」と子どもに聞いて、できることを
提案してもらって進める
・工程をクイズ形式で子どもに答えてもらって進める
・自分でホットケーキを裏返す
7歳
・自分でできる作業を主体的に進めてもらう
・できるだけ子どもの判断で作業を進め、ひっくり返すのが早かったなど、試行
錯誤の経験を大切にする
上記はあくまで例であって、子どもが興味を持つ作業を子どもの成長ペースに合わせてラクにできる範囲で進めると楽しく進められます。
ここで少しホンネをポロリ。お手伝い全般に言えますが、子どもに手伝ってもらう方が何倍も大変だし、子どもにお菓子づくりを楽しんでもらうために大人は結構な労力がかかるのも事実。でも、大人の自己犠牲のもとに成り立つのはよくありません(笑)
みんなで思いっきり楽しむためには、子どもに任せると後が大変と感じるところは「ここは大人のお仕事ね!」と分業するいさぎよさも大切ですし、子どもにできるようになってほしい思いがあっても「無理強いはしない」ことで逆にスムーズにできるようになっていくなと個人的には実感しています。
ホットケーキづくりの楽しさ倍増!カラフルホットケーキのつくりかた
今回は、4種類の生地・4種のトッピングでカラフルホットケーキを作りました!
カラフルだと子どもが混ぜる・飾りつける作業にも熱が入るし楽しいので、よかったらぜひ「おうち流」で楽しんでみてくださいね。

- ベースとなるホットケーキミックスのシンプルな生地を作り、4つのボウル・お皿に分ける
※少しだけ粉多めのトロッとした生地のほうが子どもには扱いやすいようです - プレーンはそのまま、チョコはココアパウダー適量・抹茶は抹茶入り粉末緑茶適量・ロイヤルミルクティはお茹で溶かす粉末タイプ適量を混ぜる。
※粉末を足すことで生地が硬くなった場合は、ほんの少しずつ牛乳を足すと良い - チョコ・抹茶・ロイヤルミルクティとも「色がしっかりつく」ことがおいしさの目安。「思ったより濃い」くらいで、焼いた時に香りがしっかり味わえます。
(フワッと香りたつ瞬間は大人もうっとり…!)
甘さは控えめになるので、甘いのが好きな方は砂糖を少し足すと満足感があります。製菓用ココアパウダーはチョコ感が少ないので、飲用ココアの粉末を使うか、チョコチップを混ぜるとしっかりチョコ味に! - 焼き方は通常と同じ。チョコ味は若干焦げやすい時があるので、焼き加減に注意
- カフェオレ・いちごオレ・バナナオレ等のパウダーを使ったり紅茶の茶葉を混ぜたりするのもおすすめ!牛乳の代わりにフルーツジュースなどで少しずつ生地をのばしてもきれいな色が出ます

- 我が家では、生地を流し込んで片面焼いているうちに上からトッピングをかけて、裏返してからは若干焼き時間を短めにして完成
- トッピングを手でつまんでかけるもよし、スプーンでかけるもよし、小鉢に入れて少しずつかけるのもやりやすいです。ホットプレートの熱さには十分注意しつつ進めてください
- ドライフルーツビッツやチョコチップは、あらかじめ生地に混ぜてから生地ごと流し込むのもおすすめ
- これらのトッピングで生地に自然な甘みが出るので、シロップやソースなしでそのまま味わえます
余った生地を有効活用!レンジでチンしてかんたん蒸しケーキ

生地が少なくなってきたら、少し牛乳や水を足して若干サラサラ目の生地(とろみはあるけれど、よどみなく流れる程度)を作ります。小鉢に7分目くらいまで入れて、電子レンジで加熱します。もちろんトッピングをのせてもOK!
お菓子づくりでは、小ぶりで使い勝手のよい離乳食用の食器が大活躍!離乳食用小鉢で、600w・40秒加熱すると蒸しケーキの出来上がり!もし加熱後にトロッとした生地が吹き出していたら、10秒ずつ追加加熱して、多くとも1分以内にしてください。

※注意!
面倒でも一皿ずつの加熱をおすすめします。今回、2個いっぺんに加熱して1分20秒加熱したら香ばしい炭火焼きの香りが…(←電子レンジであってはならない現象)。
おすすめ!ホットケーキづくりからバリエーションを増やす食育アイデア
今回はお菓子づくりとしてご紹介したホットケーキですが、土日や長期休みの朝ごはんやお昼ご飯に「お食事ホットケーキ」もおすすめです。
カラフルホットケーキの応用で、すりおろしたにんじんやペースト状のかぼちゃなどの野菜やコーン・さつまいもなどを混ぜた生地にすると、子どもたちも「自分で作った」からこそ勢いよく食べてくれます!お野菜が楽しく摂れるのは、うれしいですね。
ベーコン・ウインナー・スクランブルエッグと一緒に食べたり、アボカドやチキンを添えたりなど、お子さまと一緒に基本のパンケーキを焼いて、添える食材を盛り付けて、「パンケーキ屋さんのおしゃれカフェごはん」にもチャレンジできます。子どもにも大好評ですよ!食の楽しい思い出には、いつもホットケーキが大活躍してくれます!
どんなところがおうちモンテ?体験をさらに充実させるポイント
お子さまとおうちの方で楽しむホットケーキづくりには、実はおうちモンテとして楽しめる5つのポイントがあります。
①言語体験が豊かになる
材料や道具の名前を覚えて、発語したり、これから何をするかを言葉にしてみたり、手伝って欲しいことを伝えたり…一緒にホットケーキづくりをすすめるなかで、普段の生活ではなかなか使わない言葉を使った体験ができます。
②手指のコントロール力を身につける
粉を入れる、液体を入れる、まんべんなく混ぜる、器を支える…
できるだけこぼさず、上手につくるためにはたくさんの手の動きがあり、そのコントロール力を身につける貴重な機会となります。
モンテッソーリのお仕事に照らし合わせてみると、液体や粉を他の容器や場所に移す「あけうつし」や、粉を使った「色遊び」にも通じるところがありますね。また、混ぜる手の回転の動きも、モンテッソーリでのお仕事にたくさん出てきます。

ちなみに、本来なら「本物の調理器具」でやるべきところかもしれませんが、我が家では、
- ボウルの代わりに重量感があって混ぜやすい陶器製のどんぶり鉢で生地を混ぜる
- 子どもが扱いやすく操作の自由が利きやすいプラスチックのスプーンで混ぜる
など、手指のコントロールに集中しやすくなるよう、成長段階に合わせた道具の工夫をしています。
また、うまくいっていないとつい手伝いたくなりますが、本人が「できた!」となるまではできるだけ見守り、終わった後「大人の仕上げチェック」の過程でフォローしながら、必ず出来栄えをほめるようにして進めています。
③あぶないことを理解し身を守る力をつける
モンテッソーリ教育では、あぶないことをしっかりと知って、身を守る力を大切にします。だからこそ、本物のはさみを使ったり、包丁で切る練習をしたり、熱いホットプレートなどの調理器具の安全な使い方を知り、成長に応じて少しずつ使えるような機会を設けています。
④創意工夫ができ想像力を豊かにする
今回のカラフルホットケーキでは、色をつける・飾りつける・形をつくる・味の組み合わせを考えるなど、自由な発想で自分なりの工夫ができます。
想像力を伸ばし、その経験を次の機会に活かせます。成果物としておいしく楽しめるのもいいですね!
⑤実体験を通じて試行錯誤できる
カラフルホットケーキづくりは、必ずしも成功体験だけがメリットではありません。焼き方が甘くてきれいにひっくり返せなかった、焼きすぎて焦げてしまった、味付けの組み合わせがあまり合わなかった…
ではどうすればいいかな?
そうした試行錯誤が楽しくできる・成果として味や出来栄えに現れるのが、お菓子づくりのいいところではないでしょうか。

モンテッソーリ教育では、「日常生活の練習」が重視されています。ホットケーキを作るために買い出しをし、手を洗い準備をして、生地を作り、焼き、盛り付け、おいしく食べたら片付ける、その過程全てが、生きていくため、日々を豊かに過ごすために大切な生活活動です。子どもたちが自分で生活のための活動に参加し、自分が頑張ったことでお菓子や料理ができて、おいしく食べられる経験によって心が満たされ、「自分が役に立った」といううれしい記憶が残り、自己肯定感も高まります。もうそれだけで、おうちモンテとして大成功ですね。
お菓子づくりは大科学実験!?科学の芽を大切にするアイデア

さらに、お菓子づくりや料理は、子どもにとっていちばん身近な科学実験でもあります。
トロトロだった生地が焼けて固まる、焼くと気泡が出てきてはじける…
最近、科学実験の教室に通い始めた長男は、お菓子づくりの過程でも、科学の視点からのさまざまな質問が出てきました。
◆火やホットプレートで焼くのと電子レンジで熱くするのは何がちがうの?
火やホットプレートは、食べ物に熱を伝えて、熱さで食べ物を変身させて料理にする。電子レンジは、食べ物の中にある小さな水の粒を激しく揺らす力があって、水の粒が揺れることで熱が出る。そうやって熱くなることであったまったり、食べ物が変身したりする。
◆フライ返しは焼けたりとけたりしないの?
食べ物は熱で変身するけれどフライ返しは熱にあたっても変身しない、熱に強い材料でできている(調理器具の耐熱・耐冷温度を一緒に確認)。
◆どうしてホットケーキを焼き始めると泡がふくれてはじけるの?
空気はあたためられるとふくれて大きくなるから、気泡が大きくなってはじける。何気ない疑問が出てきたら、子どもにわかりやすいたとえで説明したり、一緒に調べたりすることで、小さな科学者さんの好奇心を満たし、世界を広げるきっかけともなるかもしれません!
まとめ
今回は、子どもと楽しむ「カラフルホットケーキづくり」をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
子どもがほとんどの調理過程に関われて、やってみたい過程を、年齢・成長に合わせて少しずつ増やしていけるホットケーキづくり。ホットプレートを使えば子どもの目線の高さで出来上がっていく様子を見られ、達成感もひとしおです。
お菓子や料理を作ることは、おいしい・楽しいことはもちろん、子どもにとって「自分の力で生活の役に立てる喜び」にもつながります。見た目も味も楽しいカラフルホットケーキなら、大人も童心に返って子どもと一緒に楽しめます。
忘れられない大切な思い出にもなるカラフルホットケーキづくりで、気軽におうちモンテを楽しんでみませんか?