モンテッソーリ園での経験を活かして「クッキーづくり」でおうちモンテ

はじめに 

こんにちは!10学年差姉弟がモンテッソーリ園生活を経験しているママライター・さっしーmamaです。

子どもと家で過ごす時間にモンテッソーリ教育を取り入れる「おうちモンテ」。興味を持っているものの、何から始めればいいかわからない・敷居が高く感じるという声をよく耳にします。

おうちモンテのひとつとして、お子さまと一緒にお菓子づくりを楽しんでみるのはいかがでしょうか。

お菓子づくりには、「日常生活の練習」を大切にするモンテッソーリ教育のエッセンスがいっぱい!

なかでも今回は子どもが主体となって作りやすい「クッキーづくり」を、モンテッソーリ園での保育やプレ幼稚園の親子教室の経験を踏まえながら「おうちモンテ」してみました。

あなたもぜひ「クッキーづくりでおうちモンテ」にチャレンジしてみませんか。

親子で気軽に楽しむのがいちばんのポイント!

今回は「気軽に始めるおうちモンテ」としての「クッキーづくり」がテーマです。とはいえ、「お菓子づくり⁉普段しないし大変…」と感じる方は多いのではないでしょうか。何を隠そう、わが家もそうです。だからこそ、

  • 親の負担をできるだけ減らして楽しむことにフォーカスすること
  • お子さまが疲れる前に「楽しかった」と感じる作業量にすること
  • またやりたい!他にもチャレンジしたい!という気持ちにつながる経験にすること

この3つを大切にして進めることが大切だなと感じます。

クッキーづくりは実は「ねんどあそび」の延長で楽しめます。わが子のモンテッソーリ園では、2〜3歳児対象のプレ幼稚園の親子教室でもクッキーづくりをすることがあり、おうちの方もキラキラした表情で作っている姿が印象的でした。

おうちの方も夢中になって一緒に楽しむのが成功のカギなのかもしれません。

 準備にも大切な学びがいっぱい

事前準備や後片付けにも子どもにとっての学びがいっぱいです。年齢や興味に合わせて、ぜひお子さまと一緒にトライしてみてくださいね。

クッキーづくりの道具を楽しく揃えよう

モンテッソーリ教育では、お仕事のはじめに、お仕事で使う道具の名前を知ることからはじめます。今回は「型抜きクッキー」を作るので、めんぼう・クッキー型等を中心に道具を準備しますが、もしおうちに揃っていない場合、お子さまと一緒に買いに行くのもいいですね。一体何の道具なの?というものを買って、実際に使ってみるのはワクワク感のある貴重な経験です。

そしておすすめなのが、お子さまのお好みのクッキー型を選んでもらうことです。お気に入りを買い足すのもいいかもしれません。

クッキーの型抜きは「かたちを学ぶ」「好きなものを選んで作る」「想像力をふくらませる」ことを可能にしてくれる、今回のおうちモンテのお仕事でも特に大切なツールですお気に入りのクッキー型で楽しく作れるといいですね。

ちなみにわが家では、お弁当づくり用の抜き型をクッキーにも利用しました。逆にクッキー型をお弁当づくりにも活かせます。「あ、お弁当とクッキーが同じかたちだ!」とリンクしたら、楽しいかもしれません。

生地の準備は余力に応じて・デコレーションに注力!

お菓子づくりといえば、生地づくりのハードルが高い!という方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、できる限り生地づくりはラクに済ませて、生地を伸ばす工程から後の作業を中心にするほうが「おうちモンテ」の視点ではやりやすいかなと個人的に感じました。

今回は、インターネットのレシピを参考に、ビニール袋に材料(ホットケーキミックス・牛乳等)を一気に入れてもむだけで簡単にクッキー生地ができるものにしました。これなら手を汚さず、お子さまにモミモミしてもらうだけで生地ができ、達成感を得られます

今回は中3娘・年中息子・母も少し補助で進めて、150gプレーン生地・150gチョコ生地で作りましたが、若干作業が多めな分量です。

幼児のお子さま中心の作業で1人あたり生地100g、おうちの方とご一緒で150gくらいが飽きずに作れるかもしれません。この「飽きずに進められる作業量」は重要ポイントです。小さなお子さまの場合は、クッキーの生地が冷凍で市販されているので、上手に活用するのもおすすめです。

(もちろん慣れてきたら、粉を振るったりヘラで混ぜたり生地を冷やして寝かせたりなどもぜひチャレンジしてみてくださいね。)

ポイントは、お子さまと一緒に、かつお子さま主体で、楽しく作業できる時間をしっかりとることだと感じました。

【参考】今回のらくちん生地レシピ
https://cookpad.com/recipe/3578081

「おうちモンテ」のクッキーづくりでぜひ取り入れてほしいのが「デコレーション」です。チョコチップやチョコスプレー、カラーシュガー等、小分けパック等を活用して多種類揃えると楽しく作れます。

「手を洗う」衛生管理も大切なお約束

モンテッソーリ教育の自由は「制限のある自由」とも言われます。この言葉だけでは難しく感じますが、「食べるものはきれいにしよう」という約束のもとで「楽しく自由にクッキーを作ろう」という例えで考えるとスッと腑に落ちるのではないでしょうか。

モンテッソーリ教育の「日常生活の練習」では、手を洗う練習も積極的に行われます。調理の前にお手洗いを済ませ、しっかり手を洗うというステップも「クッキーづくりの大切な一環」です。自由には作るけれど、食べものを作る時はきれいにしようね、他のおもちゃなどは触らず作ろうね、そんな会話ができるといいですね。

クッキーづくりは「おうちモンテ」のポイントがいっぱい!

いよいよクッキーづくりです!「おうちモンテ」ならではの5つの重要ポイントに注目してレポートします。

1. 道具や材料を覚えてクイズ形式に

モンテッソーリ教育ではお仕事を始める時に、お仕事で使う道具や材料の名前を確認して進めることがよくあります。「名前を覚える」という主目的はもちろんですが、「今からお仕事をはじめる」というモードにスイッチが入る「あいさつ代わり」になっているようにも感じます。クッキーづくりにおいても道具や材料の名前を伝え、お子さまに復唱してもらって、「めんぼうはどれかな?」というようにクイズ形式で親しんでもらうとスムーズにクッキーづくりがスタートできます。

2. 手指のコントロール① 生地をめんぼうで伸ばす

手指のコントロールを身につけることを重視するモンテッソーリ教育。クッキー生地をめんぼうで伸ばす作業はまさに、手指をしっかり使える工程です。

普段なら「大人と一緒にする」「大変なところは大人がやる」ようになりがちですが、「おうちモンテ」なら「大人がお手本を見せる」→「子どもが自分でやってみる」という進め方がおすすめです。しっかり力を入れてめんぼうを転がす・生地をまんべんなく伸ばして厚みを揃えることを意識して進めてみてください。

うまくできないときは再度お手本を見せてからお子さまに再チャレンジしてもらうのが理想です。

マリア・モンテッソーリの教えに「教えながら教えなさい、訂正しないで」という言葉があります。できていない部分を改めさせて良い方法を押し付けるのではなく、何度もお手本を見て何度も再現を試みることで、最適な方法を子どもが自ら身につけることができます。この過程で観察力・集中力もアップします。

ちなみに、「おうちモンテ」でスムーズに進めるなら、クッキー生地をビニール袋に入れたまま袋の上からめんぼうで生地を伸ばすのもおすすめです。ビニール袋は、めんぼうに直接生地が付着したり手がベトついたりするのを防ぎ、「めんぼうで伸ばす作業」に集中しやすくしてくれます。後片付けの負担が軽くなるのもいいですね。

3. 手指のコントロール② 生地を型抜きする

生地が伸ばせたらいよいよ型抜きです。ここでも、大人がお手本を見せて子どもが自分でやってみるのが基本ですが、最初は「一緒にクッキー型をしっかり押さえて10数える」のがおすすめです。

型抜きは「かず・かたち」に親しむ絶好のチャンスです。クッキー型を押す時のカウント・好きな形のクッキー型を選び何のかたちか考えること・できたクッキーの数を数えるのも楽しい工程ですね。

わが家では直接生地を型抜きしましたが、これもビニール袋ごしに型抜きすると、クッキー型への生地付着による形崩れを防ぎ、片付けの時短にもなるのでおすすめです。

4. 手指のコントロール③ 余った生地は丸めてみよう

型抜きをして、余り生地をまたまとめて伸ばして、再度型抜き…繰り返して型抜きしづらい大きさになったら、粘土のように丸めてから、自由なかたちを作ってみるのがおすすめです。かたちを作る時の会話にも注目!豊かな発想で心に残るワンシーンになるかもしれません。

5. 手指のコントロール④ 自由な発想でデコレーション!

チョコチップ・チョコスプレー等でかわいくデコレーションするとクッキーが一層楽しく仕上がります。クッキーの形に応じたデコレーションや、好きな色を集めたデザイン、思いつくままランダムなデコレーション…これはあえて「大人がお手本をあまり見せない」のも楽しいかもしれません。わが家では子どもたちに任せたところ、クッキーに目や口をつけて顔にしてみたり、星型・ハート型等の輪郭に沿ったデコレーション等が生まれたりしました。

チョコチップ等の小さなものを持ってクッキーへと運び、望む場所に置いて、少し押して安定させるというデコレーションの過程は実に繊細な指の動きが必要です。難しいですが、デコレーションなら夢中になってチャレンジできます。

6. 自分で作ったクッキーをおいしく食べる喜びを満喫!

型抜き・デコレーションしたクッキーをおうちの方に焼いてもらって、いよいよクッキー完成!作る過程も楽しいけれど、やっぱり、自分で作ったクッキーをおいしく食べる満足感と達成感が「クッキーづくりでおうちモンテ」の一番の醍醐味ではないでしょうか。家族みんなで味わって、たくさん褒めてあげたいですね。

もちろん、お子さまの年齢や経験に合わせて、後片付けができそうならぜひ一緒にしてみてくださいね。「おいしかったね」「気持ちよかったね」という素敵な記憶が残るといいですね。

まとめ

今回は、「クッキーづくりでおうちモンテ」というテーマでしたが、いかがだったでしょうか。

クッキーづくりには、モンテッソーリ教育に通じるさまざまな「学びのポイント」がありました。

  • 「ことばに親しむ」…道具や材料の名前を知り、作り方の説明を聞く
  • 「かず・かたちに親しむ」…10数えて型押し・クッキー個数を数える・クッキーの形を選ぶ、考える
  • 「手指のコントロールを身につける」…クッキーづくりすべての過程で手指をフル活用
  • 「自由な発想でつくる」…好きな形を作る・デコレーションする

また、「大人によるお手本の提供をもとに子どもが自分でやってみる」というポイントが一番の「おうちモンテらしさ」かもしれません。この手法は、日常生活のあらゆるところで活かせます。

はじめての「おうちモンテ」に、あなたもクッキーづくりをしてみませんか。

そして、料理・掃除・洗濯等の生活活動のなかに「おうちモンテ」の視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。