はじめに
「世界で最も影響を与えている幼児教育」(ユネスコ)と言われているモンテッソーリ教育。 藤井聡太棋士が幼少期学んでいたことでも注目を集めています。
ほかにも、Google創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ、オバマ元大統領や俳優のジョージ・クルーニーなどなど、モンテッソーリ教育を受けた著名人は枚挙にいとまがありません。
では、モンテッソーリ教育とはどんな教育なのでしょうか?
本記事では、モンテッソーリ教育をベースに、子どもの可能性や才能を開花させ、思考力や表現力、非認知能力を育む東京・新宿の幼児教室「チエコトバ」代表が、はじめての方にもわかりやすくモンテッソーリ教育について解説します。
モンテッソーリ教育とは?
イタリア初の女性医師で教育者、マリア・モンテッソーリ博士により考案された教育法
モンテッソーリ教育は、1907年にイタリア初の女性医師で教育者、マリア・モンテッソーリ博士により考案されました。誕生から110年以上たちますが、現在世界140以上の国にモンテッソーリ実践園が存在していると言われています。
では、なぜモンテッソーリ教育は110年以上にわたり、時代や文化の違いを超えて支持されてきたのでしょうか?その理由のひとつに、モンテッソーリ教育が「科学的な教育法」であることが挙げられます。
マリア・モンテッソーリは、科学者としての知識、経験を活用して子どもを科学的に観察し、観察した事実に基づいて教育法や教材を開発しました。当時から科学技術が著しく発展した現在においても、その教育法の確かさが証明されていることも特筆すべき点でしょう。
科学的な教育法だからこそ、時代や文化などの違いを超えて世界中の子どもたちに活かされているのですね。
モンテッソーリ教育は天才を生み出す教育法?
藤井聡太棋士やGoogleやFacebookの創業者など、モンテッソーリ教育は世界をリードする著名人を多数輩出していることでも、最近注目を集めています。
では、モンテッソーリ教育は、天才を生み出す教育法なのでしょうか?
決してそうではありません。モンテッソーリ教育の話題では、藤井聡太棋士やラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリンなどの著名人が取り上げられることが多いため誤解されがちですが、モンテッソーリ教育は、英才教育でも受験対策の教育法でもありません。ましてや、保護者の満足のための教育でもありません。
モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。
この目的に、共感される保護者の方も多いのではないでしょうか?
ただ、この目的は子ども自身によって成し遂げられるということがポイントです。
モンテッソーリ教育は、どこまでも子どもを主人公とする教育法なのです。
モンテッソーリ教育を家庭で実践するための3つのポイント
モンテッソーリ教育は家庭でも実践できる
「モンテッソーリ教育を受けてみたいけれど、近くにモンテッソーリ園がない」という声をよく聞きます。
モンテッソーリ教育は、モンテッソーリ園に入らなければ受けられないのでしょうか?
いいえ、家庭の子育てのなかでも実践できます!
確かに、本格的なモンテッソーリ教育は、「モンテッソーリ教具」と呼ばれる特殊な教具、訓練を受けたモンテッソーリ教師によって実践されますが、モンテッソーリ教育は普遍的な教育理念でもあります。
つまり、モンテッソーリ教育の理念を知ることで、家庭でもモンテッソーリ教育を実践できるのです。
モンテッソーリ教育の理念は非常に奥深く、多くの本も出版されていますが、本記事では、家庭で実践するために重要な3つのポイントに絞ってご紹介します。
1.子どもを観察しましょう
モンテッソーリ教育では、何よりも「観察」を重視します。実は、モンテッソーリ教育自体が、マリア・モンテッソーリの子どもの「観察」から生まれた教育法なのです。
まずは目の前の子どもをしっかり見ましょう。観察するというのは、評価や分析をせず、ありのままをしっかりと見ることです。「子どもはこんなものだ」とか「〇歳だから、これができる(できない)だろう」といった先入観や願望は意識して捨て去りましょう(難しいのですが・・・)
目の前の子どもが
「いつも繰り返しやっていることは何ですか?」
「何をおもしろがっていますか?」
「何をできるようになりたがっていますか?」
「困っていることは何ですか?」
子どもを観察することで、子どもの状態が見えてきます。そうすると、どのくらいならできそうか、どのタイミングでサポートをすればいいのか、どんな決まりが必要か、などが自ずとわかってきます。
2.自由にやらせてみましょう
「自由にやらせてみましょう。自立した行動ができるかどうかで、人生は変わります。」
―マリア・モンテッソーリ
モンテッソーリ教育の目的は「自立」です。1歳の幼児でも、「自分でしたい!」という気持ちを持っています。とはいえ、まだ自分ではできないことも多いため、保護者の方はイライラするかもしれません。だからといって、いつもやってあげていては、せっかくの自立への芽生えが失われてしまいます。
ぜひ「観察」をして、子どもが自分でやりたがることは、自由にやらせてみましょう。
モンテッソーリ園では、子どもがやりたいと思ったことを自分で選び、満足するまでできるように、環境を整えます。「チエコトバ」の教室でも、子どもが自分で選んで取り出しやすいように、子どもの背丈の棚に子どもサイズの教具(教材)を並べています。
もちろん、家庭をモンテッソーリ園や教室と同じようにする必要はありません。それに、何かと忙しい毎日のなかで、すべて自由にやらせてみることは現実的ではないでしょう。
ただ、家庭でも、子どもの自立を促し、「自分でできた」と感じられるようなちょっとした工夫は可能です。
例えば、衣服の着脱。一人でできるように、衣服は首回りがゆったりして頭の出し入れがしやすいものをあらかじめ用意してあげるといいでしょう。
また、すべて自由にさせることが難しくても、散歩に行く時、本を選ぶ時など、選択肢を2つ用意して子どもに選んでもらうのもいいですね。
こういった少しの工夫で、子どもは「自分で決めた」「一人でできた」達成感や自己肯定感を味わい、もっとできるようになりたいという意欲につながるのです。これは、昨今世界中で注目されている「非認知能力(集中力や意欲など、数値では図りにくい能力のこと)」を伸ばすことにもつながります。
できることから、ぜひ取り入れてみてくださいね。
3.手先と五感をたっぷり使う活動をしましょう
幼児期は、五感を使って動きながら学ぶ時期です。実際に見て、聴いて、触って、においをかいで、味わうことで、五感を洗練させていきます。2歳半頃からは、手先も洗練されてきて、手を使う活動を喜ぶようになります。
また、幼児期の学びは具体から抽象へ向かうことも特徴です。
モンテッソーリ教育で使う教具にも、手先や五感を使うものがたくさんあります。「チエコトバ」に通う2歳半~6歳のお子さまを見ていても、ピッチャーからコップに水を移し替えたり、立方体を順番に並び替えたり、色を識別したり、手先と五感をフルに使った活動が大好きです。
「家で、そんな活動はできない・・・」と思っていませんか?
実は、「家事」こそ、手先と五感を使う活動として最適なのです。モンテッソーリ教育でも、『日常生活の練習』という1分野で、家事を位置付けているくらいです。「洗濯」のお仕事(モンテッソーリ教育では、活動のことを「お仕事」と言います)や「きゅうりを切る」お仕事など、子どもたちが目を輝かせて夢中になっています。
子どもは、家事に参加したいと思っています。ぜひ家事をしてもらいましょう。
とはいえ、子どもがやると、ぐちゃぐちゃになったり、目が離せなかったり、保護者の方にとっては「親がやってしまった方が早いし、ラク」と思ってしまうかもしれません。でも、子どもはその過程で多くのことを学びます。そして、学んだことは、生涯役立ちます。
全部を任せることは難しくても、「レタスを洗ってもらう」「洗濯かごを運んでもらう」など、小さな子どもでも「一人でできる」ことはたくさんあります。目の前のお子さまを観察して、一人でやりたがっていることから任せてみるといいですね。
東京・新宿の幼児教室「チエコトバ」では、モンテッソーリ教育プライベート体験会を実施中!
モンテッソーリ教育をベースに、子どもの可能性や才能を開花させ、思考力や表現力、非認知能力を育む東京・新宿の幼児教室「チエコトバ」では、ただいま2歳半~6歳(年長)のお子さまと保護者の方を対象としたプライベート体験会を開催中です。
乳幼児から社会人までの教育に長年携わってきたチエコトバ代表が、お子さまの様子を観察させていただき、お子さまの才能や強みをさらに伸ばしていくためのアドバイスや、おうちモンテッソーリの方法などをお伝えします。
また、モンテッソーリ教育はもちろん、子育てのお悩みや教育・学習全般のご相談ご質問にも応じます。
「モンテッソーリ教育を実際に受けてみたい!」
「モンテッソーリ教育についてもっと話を聞いてみたい!」
という方は、ぜひ体験会にお越しくださいね。
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