【小学校受験セミナーレポート】小学校受験を幼児教育やモンテッソーリ教育の視点と現役私立小ママの本音から考える

はじめに

近年、首都圏を中心に小学校受験の人気が高まっています。小学校受験が気になっている方や、周囲の方の受験で小学校受験を身近に感じている方も多いのではないでしょうか。

チエコトバでも、小学校受験に関する相談が増えてきています。

そこで、2024年2月4日(日)に「未来を切り拓く小学校受験」と題しオンラインセミナーを開催しました。小学校受験予定の方だけでなく、中学受験と迷っている方にも大変好評だったセミナー。本記事では、小学校受験セミナーの重要ポイントを凝縮して、チエコトバスタッフがレポートします。

小学校受験セミナーの概要

今回の小学校受験セミナーは1時間半にわたりzoomで実施しました。お忙しい日曜午前にも関わらず、多くの方にご受講いただきました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

新年少・共働き・小学校受験するか検討中の方が多く受講

セミナーは新年少から新年長までのお子さまをお持ちの方が対象でしたが、最も多かったのが新年少で全体の半数弱でした。また、共働きのご家庭が9割弱にのぼりました。さらに、全体の8割弱が小学校受験をするかどうか検討中でした。中学・高校受験と比較検討している方も多いようです。

高まるニーズに応える「小学校受験セミナー」に込めたチエコトバの思い

首都圏を中心に小学校受験の人気が高まる昨今。チエコトバのモンテッソーリクラスに通われているお子さまの保護者の方や、SNSフォロワーの方からも小学校受験に関する相談を多く受けるようになりました。

特に多いのは、

  • 小学校受験に興味はあるものの、詳しく知る機会が少なく、何から始めればいいかわからない
  • 小学校受験と中学・高校受験で迷っている
  • 共働きなので、教室通いや家庭学習等に対応できるか不安

というご相談です。

他にも、学校の選び方や入学後の通学・学童等、様々なご相談が寄せられます。

小学校受験するか迷っている段階では、学校や受験教室の説明会には参加しにくいという声もありました。一方、書籍やインターネットの情報だけでは正確な情報の把握が難しいのも事実です。そこで今回、小学校受験をするかどうか迷っている方も参加しやすいセミナーを開催することにしました。

チエコトバは、モンテッソーリ教育をベースに自ら学ぶ力を育む幼児教室です。レギュラー開講しているのはモンテッソーリクラスで、小学校受験対策クラスはありません。だからこそ、中立的かつ未来を見据えた広い視野で進路や学びについて情報提供ができると考えます今回のセミナーも、幼児教育やモンテッソーリ教育の視点も踏まえて、未来を切り拓く小学校受験について考える構成としました。コンテンツの一部をご紹介します。

第1部「小学校受験を機に未来につながる学びと進路を考える」

第1部はチエコトバ代表・谷口梨花によるプレゼンテーションでした。小学校受験に関する統計や近年の市場動向等のファクトをもとに、未来からバックキャストして進路や学びについて考えるための情報提供を行いました。また、小学校受験のメリット・デメリットや小学校入学時に求められる能力などについてお話しました。

チエコトバでは、「小学校入学後の学びに向かう土台を作ること」そして「子どもをよく観察し、わが子にとって最適な進路選択をすること」を大切にすることが大切だと考えています。

セミナー資料一部
小学校の学びにつながる土台を作り、わが子に寄り添った進路選択を!

ニーズの高まりの証拠!「私立小は少子化にも関わらず増え続けている」

実は、受験が必要な私立・国立の小学校数は全国の小学校の1.7%であり、小学校受験者の多い首都圏でも小学校受験率は約5%と、いわゆる「少数派」ではあります。しかし、少子化で全国の小学校数が急速に減少する中、私立小学校の数は右肩上がりに増加しています。私立小へのニーズも高まっていると言えるでしょう。学校間の競争も激化し、よりよい学校改革が進むきっかけにもなっています

小学校受験か中学受験か…一人ひとりに合った選択肢がある!

教育理念に共感する小学校で学べることは魅力的ですが、小学校受験をするべきか(対応できるか)迷う、中学(高校)受験の方が本人の判断や自主性も取り入れられてよいのではと悩む方も多いでしょう。そんな時大事にしたいのは「子ども一人ひとりにとって最適な答えがある」という視点です。わが子をよく観察して、最適な進路を吟味することが大切です。

中学受験は基本学力勝負であるのに対し、小学校受験では、ペーパーテストだけではなく、行動観察や運動、面接など様々な観点から総合的に判断されます。最近では、行動観察が重視される傾向にあります。ごっこ遊びや集団ゲームなどを通して、最後までやり抜く・試行錯誤する・コミュニケーションが取れるなど、点数では測れない「非認知能力」を身につけてほしいという学校側からのメッセージとも捉えられるでしょう。

セミナー資料一部
幼児期の終わりに向けて「自ら考え行動する」ための様々な力を育てよう

小学校受験では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が、年長の秋、つまり「半年前倒し」で身についているかをチェックしているという側面があります。発達タイミングの個人差が大きい幼児期には、「子どもの発達や性格的に負荷が大きい」ということもあるでしょう。小学校受験の準備が良い刺激になり、探究心や向上心を育てられる…そんな進め方ができることが理想です。

とはいえ、「小学校受験に合格するぞ!」と自主的に頑張ることは、幼児期だとまだ難しいもの。子どもをよく観察し、成長に寄り添うことは何より大切になります。

ありたい未来からバックキャストして考える

小学校受験について考えるとき、学校選びや受験対策など「小学校受験自体」そして「小学校生活」という直近のことを中心に考えがちです。しかし、今後の人生に続いていく「はじめての進路選択」として考えてほしい視点があります。それは、将来健やかに・伸びやかに活躍できるために身につけておきたい能力(課題解決力・創造力・主体性など)や「ありたい姿」といった未来からバックキャストして考える視点です。

今回のセミナーは、チエコトバ代表・谷口梨花の0歳から社会人までの教育キャリアを通して感じた思いが背景となっています。前職では小中高教育に携わり、最近は社会人教育の分野にも力を入れて活動しています。小学校受験について考える際にも「未来を切り拓く学び」のひとつとして捉える意義をお話しました。

具体物を使った学びが幼児期に最適

小学校受験では数量、図形、言語など様々な分野から出題されます。受験対策というと、ペーパー重視になりがちですが、知性・抽象概念は動くことで獲得されます。幼児期は特に、身体・五感、具体物を使った学びが効果的です。例えば「三角形2つを組み合わせて四角形ができる」という知識も、実際に三角形の紙を組み合わせて四角形ができた時の驚きと喜びの体験が実感として記憶に深く残ります。

セミナーでは、具体と抽象(ペーパー)をいったりきたりしながら知識を定着していく方法を紹介しました。

第2部「アンケートから読み解く!共働き夫婦の「リアル」小学校受験

第2部はスペシャルゲスト・稲垣飛カ里さんによる小学校受験経験者へのアンケートを交えた体験談でした。稲垣さんは新小3の男の子・新小1の女の子のママであり、小学校受験を「2回」経験しています。また、教育会社で働くワーママでもあります。充実したアンケートとともに、小学校受験経験者ならではのリアルな本音が満載の貴重なお話をしていただきました。

小学校受験が今までよりも身近に、そして魅力的に感じたと受講者の皆様から非常に好評でした。

「小学校受験してよかった」が100%!受験を振り返って思う「伝えたいこと」

小学校受験に挑戦してよかったと感じている…100%

本命に進学できた方もそうでない方も、子どもに合った学校に通えていると感じ、小学校受験に挑戦してよかったと実感しているようです。小学校受験を検討する方に勇気を与えてくださる素敵なメッセージでした。

一番大切な合格のカギは「学校と家庭の相性」!

前項にも通じますが、小学校受験は教育方針に賛同し魅力を感じた受験者のニーズと、小学校が求めるニーズが合致した「相性とご縁」によって決まるといっても過言ではありません。だからこそ「合格した学校が子どもに合った学校」である場合が多く、小学校受験を通して子どもに最適な環境に出会えるのは大きなメリットと言えるでしょう。

小学校受験2回経験したからこそ感じた「子どもの笑顔を消さない」ことの大切さ

稲垣さん自身が経験した「小学校受験2回分」の体験談も非常に深い内容でした。学習の進め方やパートナーとの協力と分担など、1回目の経験を活かして2回目で軌道修正した体験談は説得力あるものでした。

特に大切にされたポイントは、親が理想とする学校ではなく、子どもの個性・成長・状態に合った学校を吟味し、校数を絞って受験対策することだそうです。

2回の受験を通して大切さを実感したのは子どもの個性と成長に合わせ子どもの笑顔を消さないこと。子どもを深く理解し寄り添った受験を心がけることが、子どもに最適な小学校へとご縁がつながるポイントと言えそうです。

第3部「対談・Q&Aセッション」

第3部は受講者からの質問をもとに、チエコトバ代表谷口と稲垣さんの対談・Q&Aセッションを行いました。小学校受験対策の教室を選んだ決め手や家庭学習におけるやる気の起こし方、遠距離通学・放課後の過ごし方、学校への保護者の関与度などについての質問にお答えしました。

志望校選択については、親の感覚で通学範囲や調べる学校の範囲(知名度・レベルなど)を区切らないことが大切という稲垣さんのお話が印象的でした。子どもの力を信じながら、広い視野で様々な学校を調べることが、わが子に合った学校を見つけやすくなるコツかもしれません。

まとめ

チエコトバ初の小学校受験セミナーは、受講者の皆様からの反響も大きく、嬉しいメッセージを多数いただきました。抜粋してご紹介します。

小学校受験の全体像から具体的な受験情報まで、幅広く分かりやすくご説明いただき、とても勉強になりました。受験についてまだ真剣に考えていませんでしたが、幅広い選択肢の中から子供に最良と思える環境を提供できるようにするため、少しずつでも情報収集をしていきたいと思いました。貴重なお話をありがとうございました。
小学校受験か中学校受験かで迷っていましたが、子どもの個性は様々で、子どもを観察することが大事だと気付きました。

チエコトバでは今後も皆様のニーズにお応えして、進路や学びについて理解を深めるセミナーや講座を企画しております。どうぞご期待ください。