はじめに
新年度がスタートしましたね。入園・入学で環境が大きく変わったご家庭も多いのではないでしょうか?
新しい環境に慣れるスピードもきっかけも一人ひとり異なります。新しい環境で頑張るお子さまを温かく見守り、サポートしたいですね。
さて、入園・入学・進級のタイミングは、子どもの成長・学習意欲が高まる時期でもあります。
モンテッソーリ教育でも「環境(人的環境・物的環境)」を重視しますが、子どもの伸びようとする気持ちを後押しするには、やはり環境の整備が鍵になります。
本記事では、主に年少から小学校低学年向けに、新年度スタートのこの時期に意識したいことをご紹介します。
新年度は子ども自身の意欲が高まる時期
進級・入園・入学のタイミングは、子ども自身の成長・学習意欲が高まる時期でもあります。チエコトバでも「〇組さんになったからこんなこともできるんだ!」「保育園で一番のお姉さんになったの」などの声が飛び交っています。
モンテッソーリ教育では、自立・発達していこうとする力のことを「自己教育力」と呼んでいます。「自己教育力」は、モンテッソーリ教育のキーワードともいえる言葉です。大人が教え込んで自立・発達を遂げさせるのではない、何かができるようになる原動力は子どもにあるー。
だからこそ、子ども自身が「これができるようになりたい」「挑戦したい」と思ったそのタイミングで、適切なレベル、方法で挑戦を後押しすることが重要だと考えています。
新年度はそうした後押しに絶好のタイミングといえるでしょう。下記に年少~小学校低学年向けに、未来を見据えて今意識しておくこととよいことをご紹介します。月齢や発達段階、ご家庭の状況に合わせて、参考にしてください。
【年少~年中】「ひとりでできる」ことを増やしていく時期
モンテッソーリ教育は、子どもが自分で発達しようとする力を土台とする教育法です。モンテッソーリ教育の合言葉は「ひとりでできるように手伝ってね」。
年少になったら、「ひとりでできること」を増やしていけるように、環境を整えていきたいですね。
具体的には下記ができることを目標にしてみるとよいでしょう。月齢や発達に合わせてできることから取り組んでみてください。
- 幼稚園や保育園の登園準備ができる(おうちの方のサポートのもとで)
- ボタンやファスナーがついている服の着脱が自分でできる
- スプーンやフォークを正しく持てる
- 簡単なお手伝いができる
とはいえ、毎朝起床から登園までバタバタ。「登園準備や着替えなど、どうしたらひとりでできるようになるの?」とお悩みの方も多いかもしれません。
実は、子どもも同じことを感じているかもしれません。
お子さまの洋服はどこに収納しているでしょうか?大人用の高いハンガーや引き出しにしまって、おうちの方が出しているというご家庭も多いかもしれません。
それでは、子どもがひとりで身支度しようと思ってもできません。
大人の手を借りなくても子どもが自分で身支度できるような収納に変えてみてはいかがでしょうか?
おうちの環境づくりのポイントはこちらの記事も参考にしてください。
また、スプーンやフォークを正しく持つためには、しっかり動く手指が不可欠です。おうちモンテッソーリでも人気の、「あけうつしのお仕事」や「お絵描き」は、よく動く手をつくるのにお薦めです。
【年長】3つの資質・能力の基礎を体験や遊びを通じて育む時期
年長のお子さまは、小学校入学まであと1年。小学校入学を見据えた準備ができればいいですね。
では、就学準備としてどのようなことが必要なのでしょうか?
「小学校に入学するまでに足し算引き算ができた方がいい」
「カタカナまでは最低限マスターしておいた方がいい」
ネットやSNSでは、様々な意見が見られます。焦る方も多いかもしれませんが、幼児期の終わりとなる年長の1年間に意識したいのはそういった個別のスキルよりも、小学校以降に伸びる力です。
参考になるのが、小・中・高校の「学習指導要領」にあたる「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」で示されている「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」です。
下記をご覧ください。

小学校に入学すると、机で勉強する時間が多くなります。遊びが中心だった保育園や幼稚園の生活と大きく異なります。
保育園や幼稚園と小学校をスムーズにつなぐために、すべての幼稚園や保育園などで、この「10の姿」を意識した教育・保育を行うこととされています。
重要なのは、これらの姿はテストで測定されるものではないということです。「〇点だからこの項目は到達できている」と判断するのではありません。日常の遊びや生活のなかで、このような姿や言動が表れているかというプロセスを観察するために活用されます。
例えば、「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」の具体的な姿として、「生活や遊びを通じて、自分たちに関係の深い数量、長短、広さや速さ、図形の特徴などに関心をもち、必要感をもって数えたり、比べたり、組み合わせたりする」という例があげられています。家庭でいえば、家族でお菓子をわけるときに、同じ数だけわけようとする、ブロックを「三角、四角・・・」などに分類している姿などは、まさに「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」の育ちの姿です。これらは、小学校の算数の基礎になります。
ほかにも、「思考力の芽生え」の具体的な姿として、「物との多様な関わりとの中で、物の性質や仕組みについて考えたり、気付いたりする」という例があげられています。このような考える力は、教科学習の土台になる力です。
これら10の姿は、小・中・高校の「学習指導要領」で示され、学校教育全体を通して育む力である「(実際の社会や生活で生きて働く)知識及び技能」「思考力、判断力、表現力」「学びに向かう力、人間性」という3つの資質・能力(いわゆる「3つの柱」)の基礎となります。
年長の1年間は、小学校以降につながる3つの資質・能力の基礎を、豊かな体験や遊びを通じて育んでいく時期だと考えると、今必要なのはやみくもな先取りなどではないことがおわかりになると思います。
この1年間は身体感覚や五感を存分に発揮できるような体験をたくさんしましょう。
また、小学校以降は、集団の規模も大きくなり、多様な立場の人と関わる機会が多くなります。幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿では、「協同性」や「社会生活との関わり」など 他者との関係も多くあげられています。年長の間に、友達だけではなく親戚や地域の方など多様な方と触れ合う機会を少しずつもてるとよいですね。
【小学校低学年】一生の財産となる「学習習慣」をつける時期
小学生にとって新年度がスタートするこの時期は、学習環境を整え、学習習慣をつける絶好のタイミングといえます。
学びは一生続きますが、おうちの方が子どもの勉強をずっと横で見て、伴走できるわけではありません。だからこそ、小学校低学年のうちに、一生の財産となる「学習習慣」をつけたいものです。
多くの小学校の先生方が口を揃えるのは、「小学校低学年のうちが学習の土台となる」ということ。とはいえ、低学年のお子さまが自分でスケジュールや学習内容を管理するのはまだ難しいもの。鍵になるのは、おうちの方の関わりや環境づくりです。
お薦めは、学習する時間を1日のスケジュールのなかに組み込んで、固定化してしまうこと。なかでも「学習を始める時間」を決めるのは非常に有効です。新1年生はまだ生活リズムの見通しがついていないかもしれませんが、夏休みまでの習慣化を目指しましょう。
習慣化には、ある程度の時間がかかります。また「やってみたけれどうまくいかなかった」ということも出てくるでしょう。学習に最適な時間やタイミング、集中できる時間帯や場所は個人差や家庭環境の差が大きいもの。いろいろ試して、わが子、わが家にあったベストな方法を見つけていけるといいですね。小学校低学年のうちにそうした試行錯誤をしておくと、学習内容自体が難しくなる高学年にいきてくるはずです。
新年度の好スタートに、モンテッソーリ環境を活用してみませんか?
モンテッソーリ教育をベースに自ら学ぶ力を育む「チエコトバ」では、モンテッソーリ環境、モンテッソーリ教具を積極的に活用して、お子さま自身の「伸びようとする力」を育んでいます。
現在、モンテッソーリ幼児コース(2歳半~6歳(年長)対象のレギュラー会員を募集中です。
5月末までの期間限定で、入会金が半額(通常22,000円→11,000円)となるキャンペーンを実施中。
レギュラークラスは、火曜・水曜・土曜に開講しておりますが、少人数限定のため土曜クラスはあとわずかで募集終了となります。
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