子どもの力を引き出すモンテッソーリ教育の「お仕事」って何?

はじめに

モンテッソーリ教育では、子どもが行う活動を「お仕事」と呼びます。

「モンテッソーリ教育に興味はあるのだけれど、子どもにお仕事というところが何かひっかかる・・・・・・」

「子どもは遊びではないのですか?」

とご質問を頂くことがあります。筆者もはじめてモンテッソーリ教育に出会った時は、同じような疑問を感じました。

モンテッソーリ教育の「お仕事」とは何でしょうか?遊びとはどう違うのでしょうか?

本記事では、モンテッソーリ教育のお仕事について解説します。

モンテッソーリの「お仕事」と「遊び」の違い

モンテッソーリ教育では、「遊び」と「お仕事」を明確に区別しています。「遊び」は自由です。何をどのように使ってもいいし、好きな時に始めて、好きな時にやめられます。

しかし、モンテッソーリ教育の「お仕事」はそうではありません。それぞれのお仕事には一定の目的があり、モンテッソーリ教具も使い方が決まっています。お仕事をする時は、目的に沿って手順を踏みながら活動をします。そのため、モンテッソーリ教育では整えられた環境と、最初に教師がお仕事のやり方を見せる「提示」が重要になります。

モンテッソーリ教育のお仕事が遊びと大きく異なるのは、それが自らの成長という自然のプログラムに従って、自分自身をつくりあげるものだという点です。つまり、モンテッソーリ教育のお仕事は、自分の成長のための活動なのです。自分の意志で始めたお仕事だから、簡単には投げ出せません。また、子どもが一生懸命やり抜こうとしているお仕事の最中に、大人から「いつまで続けるの?」「そろそろおしまいにしたら?」といわれても中断できません。

モンテッソーリ教育の活動のサイクルには、

  1. 自分の意志で自由に選ぶ
  2. 繰り返す
  3. 集中する
  4. 自分でやめる

という4つのステップがあります。

自分の意志で始めたお仕事を全力でやり抜き、「できた!」「わかった!」時の感情は、かけがえのないものです。このステップでたくさんのお仕事に取り組むことで、子どもたちは自分自身をつくりあげていくのです。もちろん外で元気に走り回って遊ぶ、お友だちと楽しくゲームをするといった遊びも成長や発達には大事な要素。しかし、お仕事で得られる内面から湧いてくる満足感や達成感、喜びなどは、いわゆる遊びでは味わうことが難しい性質のものといえるでしょう。

モンテッソーリ教育では、このように子どもが自分自身を成長させるお仕事ができるような環境をつくることが大人の役割であると考えます。

モンテッソーリ教育で集中力が育つ理由

「子どもは飽きっぽい」「集中力が続かない」とよく聞きます。実際、そう思われている方も多いのではないでしょうか?

しかし、モンテッソーリ教育の現場でよく目にするのはそれとは反対の姿です。子どもたちが、時間がたつのも忘れてモンテッソーリの「お仕事」に集中する姿がいたるところで見られます。高い集中力はモンテッソーリ教育がもたらす力のひとつです。将棋の藤井聡太棋士をはじめ、モンテッソーリ教育を幼児期に受けた人の共通項として、「集中力が高いこと」はよく挙がります。 

では、なぜモンテッソーリ教育で集中力が育つのでしょうか?
ここにも、モンテッソーリ教育のお仕事が深く関係しています。

マリア・モンテッソーリの重要な発見のひとつに「集中現象」があります。彼女は、子どもたちが自ら集中して学んでいる状態を「集中現象」と呼びました。集中現象は、その時の子どもの発達段階、モンテッソーリ教育でいう「敏感期」にぴったりの課題に出会うことが鍵になります。お仕事が簡単すぎても難しすぎてもやる気にならないので、集中現象は起こりません。

そのためモンテッソーリ教育の現場では、注意深く子どもを観察し、今子どもが必要としている環境を整えます。そして、子どもにぴったりのお仕事に誘うのです。それが自らの発達課題と重なった子どもは、われを忘れて目の前のお仕事に没頭します。

内面から深く変わっていくモンテッソーリの「お仕事」

チエコトバのモンテッソーリレッスンは1回90分です。2歳になったばかりのお子さまも小学生も、目と手と知性を存分に働かせて、同じ活動を繰り返しています。そして集中した後には、穏やかで満足した表情を見せます。その過程で、子どもたちは主体性や集中力、やり抜く力などを着実に身に着けます。

感覚教具の三項式を何度も繰り返す3歳

かけ算板を使ってかけ算を解き続ける4歳

子どもたちは「自分自身を成長させる」そして「自分自身をつくりあげる」尊い「ワーク=お仕事」を成し遂げているのです。だから、モンテッソーリ教育のお仕事を通して、子どもたちは内面から深く変わります。単なる「遊び」とは大きく異なる点です。

モンテッソーリ教育のお仕事を体験してみませんか? 

モンテッソーリ教育をベースに自ら学ぶ力を育む「チエコトバ」では2歳半~6歳(年長)のお子さまを対象に、モンテッソーリ教育の体験レッスンを通年で開催しています。

体験レッスンでは、お子さまの興味関心や発達段階に応じて、様々なモンテッソーリ教育の「お仕事」に取り組みます。 教室には、身体を動かし、集中力や巧緻性などを身につける「お仕事」、五感を刺激し、発達させる「お仕事」、語彙を豊かにし、言語を習得する「お仕事」、算数を体系的に学ぶ「お仕事」、世界や科学などを探究する「お仕事」など、お子さまが自ら成長・発達できるような「お仕事」がたくさんあります。

はじめてのお子さまも集中してお仕事していただけるように、丁寧にサポートします。フィードバックタイムでは、お仕事の様子を観察して見えたお子さまの才能や強み、それらをさらに伸ばしていくためのアドバイスなどをお伝えします。

内面から深く変わっていくモンテッソーリ教育のお仕事を、一度体験してみてくださいね。

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