子どもを算数好きにするためには?幼児期からの「算数力」の伸ばし方

はじめに

STEAM教育の浸透や中学受験などを背景に「算数が好き&得意な子になってほしい」と願う保護者の方も多いのではないでしょうか?

実は、小学生の嫌いな教科不動の1位が「算数」。※学研教育総合研究所(2025)長年、受験教育に携わってきましたが、算数は早い段階で苦手意識を持ちやすく、力の差も出やすい教科であるのはおおむね事実です。

とはいえ、幼児期に目を向けると、数や図形に対する興味や鋭い感覚を持っているお子さまは非常に多いのです。

そこで今回は、幼児期からの「算数力」の伸ばし方について、モンテッソーリ教育の「算数教育」のエッセンスも交えながらご紹介します。

算数は論理的思考力の土台となる教科

算数は計算力だけでなく、論理的思考力や応用力などの土台となる大切な教科です。

中学受験を検討中の方は、「算数が合否をわける」と聞いたことがあるかもしれません。中学受験は学校が入試結果(科目別合格者平均点、全体平均点)を公表しているところが多いので志望校のホームページを見ていただければわかりますが、おおむね事実です。

一方で、小学生の嫌いな教科不動の1位でもあるのが算数。算数は、小学校低学年という早い段階で苦手意識を持ちやすく、力の差が出やすい教科です。

とはいえ、幼児期に目を向けると数や図形に対する興味や鋭い感覚を持っている子は非常に多いのです。また、表に現れていないだけで、働きかけ次第でぐんぐんと算数センスを発揮するお子さまもたくさん見てきました。それが、いつの間にか算数嫌いになるのはもったいないと思いませんか?

算数は決して無味乾燥なものではありません。幼児であっても日常生活で自然に親しんでいるのが算数の世界。そうして親しんできた算数の世界を整理していく手助けは、幼児期から十分にできるのです。

4歳頃から算数への関心・感覚が敏感になる

よく「幼児に算数を教えるのは早いのでは?」という話も聞きます。しかし、ここでいう算数の学びは、計算ドリル学習ではありませんし、九九の暗記でもありません。

ここで、幼児期がそもそも発達上どんな時期かを確認しておきたいと思います。

小・中・高校の「学習指導要領」にあたる「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」で示されている「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」のひとつに、「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」があります。具体的な姿として、「生活や遊びを通じて、自分たちに関係の深い数量、長短、広さや速さ、図形の特徴などに関心をもち、必要感をもって数えたり、比べたり、組み合わせたりする」という例が挙げられています。

家庭でいえば、家族でお菓子を分けるときに、同じ数だけわけようとする、ブロックを「三角、四角・・・」などに分類している姿などは、「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」の育ちの姿です。これらは、まさに小学校の算数の基礎になります。

モンテッソーリ教育では、個人差はありますが4歳頃から「数の敏感期」が現れると考えます。数字や量に興味を持つ時期です。「最近スーパーに行くと値札の数字を読んでいる」「お菓子やおもちゃの数を数えたり比べたりしている」というお話を聞きますが、これらは数の敏感期の現れです。モンテッソーリ教育では、数の敏感期の子どもに、具体物を用いて「算数教育」にいざないます。

幼児期は、抽象思考や論理的思考はまだ難しい時期です。だからといって、幼児に算数を教えることはできないというわけではありません。モンテッソーリ教育でも、子どもを観察した結果、幼児に算数を教えることは十分に可能であると考えています。

モンテッソーリ教育の「算数教育」では、無理のない形で数の世界を理解します。出発点は必ず具体的な量物です。子どもが具体的に感覚でとらえられるもの、直接体験ができるもので導入するのです。いきなりペーパー学習をやることはありえません。そして感覚と体を通して充分に学んだ後、抽象、つまり頭の中で操作する段階に向かっていくのです。これらは、幼児期の算数の導入を考えるヒントになると言えるでしょう。

算数力は日常生活で磨く

大事なのは、幼児期から生活や遊びのなかで数量、長短、広さや速さ、図形に親しむことです。楽しく触れ合うことが、算数力の種になります。モンテッソーリ育ちの子は算数好きな子が多いとよく言われます。実際に、チエコトバの生徒さんを見ていても感じます。これは、幼児期から具体物を使って数や数字、図形に親しんでいることが大きいでしょう。

何より、モンテッソーリの算数のお仕事をしている子どもは非常に楽しそうです。誰かに言われるのではなく、自らの興味関心にしたがって算数の世界を楽しんでいます。幼児期の学びは、この「ワクワク感」が鍵になるのは確かです。

▲金ビーズを使って4桁の四則演算をする年中さん

▲具体物から半抽象の段階を経て算数を体系的に学ぶ年中さん

「算数」というとどうしてもドリル学習に意識が向きがちですが、子どもの生活場面に合わせて学ぶことで無理なく理解を深めていけるのです。

例えば

■電線に鳥が3羽止まっていました。そこに2羽やってきました。今何羽いますか?

■お母さんと子どもが5個ずつアメを持っています。お母さんが子どもにアメを1個あげたら子どものアメは何個になりますか?

■チョコレートが6個あります。3人のお友達に同じ数だけチョコレートを配りたいです。何個ずつ配ったらいいでしょうか?

このような場面(数の変化)は、生活や遊びのなかで実際に多く見られます。そして、そこに算数の基礎、四則演算の基礎になる考え方があるのです。

パソコンに数字を入れたら正確に計算はできるかもしれませんが、こういった数の変化、感覚を身に着けているかどうかは後々の「算数力」と大きくかかわってくると言えるでしょう。

算数を楽しいと思えることが算数力を伸ばす近道

ここまで幼児期の算数について考えてきましたが、やはり鍵になるのは算数を楽しいと思えることです。

算数に限りませんが、幼児期の学びはすべて日常生活で親しんでいることが出発点です。そこから、幼児期の発達段階に応じて具体物にたくさん触れて、漠然と親しんできた算数の世界を体系的に整理していくのです。

算数力をつけたいとドリルを購入する前に、今、ここの日常生活のなかで実際に操作をして、感覚と体を使って数に親しんでいきたいですね。それは、算数の理解にとどまらず、論理的に考える力や判断力など人格形成につながる力を育みます。決して難しい掛け算やわり算ができることが目的ではありません。

幼児期に将来の学びの土台となる「ワクワク」を育てたいですね。

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