幼稚園・保育園選びで押さえておきたい5つのポイント!〜タイムスリップできるならどう選ぶ?〜

はじめに

こんにちは!10学年差姉弟がモンテッソーリ園生活を経験しているママライター・さっしーmamaです。

秋は幼稚園・保育園選びが盛んになる季節。園見学・行事への参加など、保育の様子を知る機会も多いのではないでしょうか。そこで今回、わが子の在園中・卒園後の経験を振り返り、「もし今タイムスリップできるならどんなふうに園選びをしたいか」をテーマに、園選びの注目ポイントをまとめました。実体験を踏まえ、良かったこと・悩んだこと・こうしていれば良かったと思うことなど本音を交えながら「今だからこそわかるチェックポイント」をご紹介します。

9月連休の浜名湖は暑くてもちゃんと秋の気配が。魚を見ながら去り行く夏を最後に楽しんできました。
さぁこれから、園最後の秋の行事ラッシュ。楽しみです!

 園選びポイントの前に!大切にしたい「4つの視点」

わが家にとって初めての園選びはもう13年も前。「わが子に合った幼稚園に行かせてあげたい、だからママとしてベストを尽くしたい」そんな一心で、がむしゃらに探していたなと思います。

さっしーmamaの園選び体験談はこちら!

園選びの本音満載!わが家がモンテッソーリ園を選んだ理由
https://chiekotoba.com/column/column514

園の理念・雰囲気・保育の様子などを調べたり実際に見たりして、悔いない園選びはできました。でも今思うと、それらの要素を吟味する視点が、「わが子をよく知るママとしての視点」のみ、言い換えると「自分サイドに固定した1つのカメラからの視点」(自分目線)だけの狭い視野で見ていたなと感じるのです。自分サイドの「1カメ」だけでなく、「2カメ」「3カメ」など複数のカメラ(視点)を持って、全く違う視点・別アングルから考えるとよりよかったかもしれないと、今なら感じます。そこで、園選びをもっと深めるための「4つの視点」についてお話します。

「1カメ」(視点1):わが子とおうちの方からの視点(メインカメラ)

最も大切な視点となるのはもちろん、わが子とおうちの方からの視点です。いわゆるメインカメラとして「わが子の希望と状況・わが家の考え方に基づいて自ら園を選ぶ」という園選びの姿勢・基準も含んだ視点です。
人気園で競争率が高いなど「売り手市場」の場合や、わが子の状況から入園が不安な時などは、つい「園に入れてもらう」と感じてしまいがちですが(私自身そうでした)、逆にそういう時こそ「自ら園を選ぶ」姿勢が大切だと感じます。「入園できればそれでいい」では、実際に入った時に違和感や困りごととなる要素を妥協したり見逃してしまったりするだけでなく、成長段階や特性などに応じたケアを受けられるかといった条件の吟味ができないままになってしまう可能性もあるからです。

園選びで検討するさまざまな条件について、1つずつ「わが家はどう考えるか」を確認することが大切で、フランクな表現にすると「あり」?「なし」?「なし」の場合、許容できる?と丁寧に考えていくと、より納得して良い園を選べるのではと感じます。

わが子(年長息子)のマイブームは「ポケモン」(もうマニアの域)、そしてわが家のブームはポケモンマンホール「ポケふた」めぐりです(浜松で5ヶ所目)!入園時にはポケモン好きになるとは全く想像もせず。好きなものや遊び方も年々変わっていくものだなぁと感じます。

「2カメ」(視点2):園にフォーカスする視点 

2つ目は「園にフォーカスする視点」です。園の理念や運営方針、制度・条件・保育内容など実際の現場の状況や雰囲気を、「園にカメラを置くイメージ」で客観的資料として観察・調査するのです。

ここで「わが家はどう考えるか」は一旦横に置いておくことで「園としてどう考え、どのように実践しているか」がよりくっきり見えてくるかもしれません。例えて言うと、仕事を探す時「自分の希望条件をもとに求人情報を探す」のではなく「職場としての方針や状況をまずひととおり知る」というニュアンスに似ています。

「3カメ」(視点3):先生にフォーカスする視点 

3つ目は「先生にフォーカスする視点」です。少し意外かもしれませんが、「自分が保育士や教師として働くならどんな感じ?」と考えると見えてくるものがたくさんあると感じます。もしかすると、「入園を検討する目線」よりも具体的で多くのことが見えてくるかもしれません。

現場にいるスタッフとしてどんな理念を持ち、どのように子どもに接し、どんな言葉づかいで話しているか。園としての教育方針が理想的でも、現場の実情とかけ離れてはいないか。どんな先生がいて、職場環境として良い雰囲気ができているか。人手不足や手薄さなどを感じないか、保護者に対する姿勢や立ち位置はどうかなどです。

「職場環境としての園の状況」は、保育の質に影響し、子どもたちが日々過ごす時間の質にダイレクトに影響してきます。おうちの方が「ここではあまり働きたくないかも」と少しでも感じたら一旦ストップ、再検討した方がいいかもしれません。

「4カメ」(視点3):在園児と保護者にフォーカスする視点

4つ目は「在園児と保護者にフォーカスする視点」です。私自身、意識が十分に回り切らなかった視点で、入園すると自分たちが「メンバーの一員になる」という心づもりでもっとチェックしておきたかったなと感じます。園見学や行事だけでは十分にはわからないものですが、この視点が大切と意識しておくだけでキャッチできる情報はたくさんあります。厳密には「在園児」と「保護者」は別ですが、未就学児の時点では強く影響を及ぼし合うことが多く、離れて過ごす時間もその影響を感じるケースが多々あります。だからこそ「関係性」まで含めた視点が有効です。

地域性・(共働きなど)生活スタイル・日々の子育ての姿勢・保護者間の関係性の強さ・小学校受験の有無など園ごとの傾向を知り、一員になった時に大きな違和感がないか、少数派になりそうなポイントはないかを確認しておくと安心です。

夏休みの終わり、園のメンバーとプライベートで手持ち花火会をしました。
フィナーレには大きな花火も!
クラスメンバー集まっての夏の思い出、大きくなっても記憶に残ったらいいなぁ。

納得して良い園を選ぶために!押さえておきたい「7つのポイント」

本題である「園選びのポイント」に移りましょう。各ポイントについて「4つの視点」のカメラを上手に切り替えながら、まず客観的事実を集め、その後で1つずつチェックしていくイメージがおすすめです。情報収集の時点で「自分フィルターにかかった状態」になることを避けられ、自分目線で気づけなかったことを取りこぼすことが減るからです。

また、全てのポイントにおいて共通の基準となる考え方が2つあります。

  1. お子さま・おうちの方の両方にとって、自分を高められる環境であること
  2. お子さま・おうちの方の両方にとって、無理しない環境であること

「お子さまにとって良いか」に目が行きがちな園選びだからこそ、あえて「この園を選んで家族みんなが笑顔で幸せに過ごせるか」という視点も取り入れられたら素敵です。

ポイント1:園としての教育理念・特色に「ワクワク」できるか

最も大切なのはやはり、園が展開している・目指している教育理念や方針、力を入れている分野(特色)に賛同し、素敵だなと感じることではないでしょうか。園の見学や行事に参加して「この園好きだな」「入園後を考えるとワクワクする」という感覚があることが、今後の園生活を送る基盤になると感じます。

ポイント2:園の制度・条件・環境がお子さま・おうちの方に合っているか

園によって保育時間・保育料・通園方法・お弁当/給食・保護者参加の状況などはさまざまです。保育内容が良いから「保育料が高くても頑張る」「遠いが通いたい」「仕事後ダッシュで迎えに行く」「園バスのバス停が遠いけれど頑張る」「仕事が朝早いけれどお弁当作らなきゃ」など理想的ではない条件を妥協することはよくある話ですし、条件がなかなか合わない場合も多いでしょう。でも、入園後「その大変さが毎日の生活の一部になる」「時間的・経済的・そして心の余裕が減る可能性がある」ことは覚悟を持って考えなければなりません。

ただでさえ何かとバタバタする毎日。貴重な幼児期をのびのび成長できる日々にするために大切な「親子とも笑顔でどんと構える余裕」を保てそうか、「親子とも自分を高められて、無理しない環境」にこだわっても良いかもしれません。

ポイント3:ひとりひとり「個」を大切にしているか

園に通う意義の1つとして「小学校以降の集団生活の準備・練習ができること」と考える方は多く、集団生活を重視した園選びをすることが多いのではないでしょうか。もちろん大切なことではありますが、「園である以上集団生活は避けて通れない」からこそ、逆に、園が意識的に「個」に心を配り大切にする意識の強さが「ケアの手厚さ」に影響してくると感じます。

園全体の流れも大切にしながら、個々の成長のペースに寄り添った保育と、子どものトラブルや悩みに気づき、乗り越えるサポートをしてくれる先生。成長していく上では、誰しも葛藤やトラブルを乗り越えていくもの。だからこそ「個」を大切にし、ケアしてくれる園の環境は必須ではないでしょうか。

ちなみに、モンテッソーリ園はモンテッソーリのお仕事などを通じて個々の成長を見守る機会が多いので、園児と先生の距離感も近く、わが家では園選びで魅力に感じました。

ポイント4:お子さまの「好き」「得意」をたくさん楽しめるか

ポイント3の「個」を大切にする環境では、周囲からの働きかけにより「自分が大切にされている」と感じることで自己肯定感が高められますが、ポイント4ではお子さま自身が「好き」「得意」「上手にできる」「楽しい」と感じることで自己肯定感が高められます。お子さまが好き・得意なことが、例えば音楽・絵・運動・モンテッソーリのお仕事など、園で力を入れている分野・多くの時間を割く活動になっていると良いですね。

「園に行くと楽しい!」と感じるためにも、好きなことがたくさん楽しめる環境が理想的です。

ポイント5:お子さまの成長につながるチャレンジができる環境か

「成長につながるチャレンジ」ができることも、園に通う大切なメリットです。

例えば、園として、運動会・音楽会などの行事を「お楽しみ」だけでなく「成長へのチャレンジ」と捉え、子どもたちをサポートしているかも確認しておきたいポイントです。得意でない分野のチャレンジになる子もいれば、「待つ」「並ぶ」などが大変に感じやすい子もいます。

また、毎日の園生活でも、静かに話を聞く・おともだちと良い関係を保っていくなど、「少しのがまんや頑張り」が必要なことは多々あります。

園見学や行事参加の際、「やりたくない」と困っている子がいたら、先生がどのように気持ちに寄り添い、乗り越えるサポートをしているかを是非見てみてください。順調に行っていないシーンにこそ園としての姿勢が現れます。困難・葛藤を乗り越えるという視点があれば、頭ごなしに「よくない」「やりましょう」ではないアプローチが見受けられるはずです。

ポイント6:「生きるための2つの力」を伸ばしてくれる環境か

1つ目の力は「自分のことを自分でする力」です。わが家がモンテッソーリ園を選んだ決め手の1つがこのポイントなのですが、先生方の優しく丁寧なサポートのもとで「生活活動を自分でする力」が育ち、習慣として身につくところ、それを支える「手指や身体のコントロール力」が育まれるところが魅力でした。

生活活動のスキルは、日々の忙しさやきょうだいの子育てなどに追われて、おうちだけではなかなか難しいものです。園で年齢に合った生活のタスクに取り組み、それらを習慣化していくこと、また、できるようになってほしいことを園とおうちで共有し、自宅でも練習を重ねていくことは、今後の「生きる力」に直結します。

2つ目は「自分の思いを言葉にする力」です。園の保育の中で「ありがとう」「ごめんなさい」の気持ちを伝えたり、嬉しい・悲しいなどを理由とともに話したりする機会が大切にされていると、思いを言葉にする力がどんどん育ちます。特に幼児期はやりたくないこと・悲しかったことなどを、泣くだけではなく、言葉にする力が重要です。困難を感じていることを周囲に理解してもらったり、おともだちの言動に傷ついたりしたことを(時に先生にサポートしてもらいながら)冷静な言葉で伝えたりするなど、幼児期に言葉で表現する方法を身につけているかどうかは、今後の生きやすさに大きく影響してきます。また、自分自身が何を感じどう考えているのかを整理し、自己理解をする力にもつながります。子どもにとって初めての社会経験である園において、思いを言葉にする力が身につくといいですね。

ポイント7:園で学んだことをおうちで深められるよう情報共有できているか

園で取り組んでいることの情報共有と、お子さまの様子のフィードバックが充実していれば、園で学んだことを自宅でも深め、習慣として続けやすくなります。取り組んでいることについて「園でどのように教えているか」を知る機会があると、「園での進め方」と「おうちでの進め方」の違いで子どもが混乱するのを避けられます。例えば「おはしの持ち方」「着替え」など、園としての方針を入園前に質問してみるのも良いかもしれません。

もし入園前にプレスクールや親子登園があるなら、ご参加をおすすめします。お子さまが園に慣れるのはもちろん、おうちの方も「園での基本の進め方」を体感的に理解しておくと、子どもの園生活をサポートする上でも、おうちでの生活と連携する上でもメリットがいっぱいです。

カンドゥーに行って、「たこ焼き屋さん」のお仕事体験をしてきました。
たこ焼き作りは手の動きがなかなか繊細で、モンテッソーリ教育で育んだ手指のコントロール力や
日常生活の練習が活かされるなぁと実感しました。

まとめ

今回は「もしタイムスリップできるならどんな園選びをしたいか」をテーマに、今だからわかる園選びのポイントをお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。

園選びの限られた時間で全てのポイントを把握するのは難しいかもしれません。しかし、押さえるべきポイントを知っておくと、キャッチできる情報はグンと増えるはずです。また、気になる点を質問すると、その受け答えから園の考えや姿勢がわかることもあります。

入園はゴールではなくスタートです。幼稚園や保育園で過ごす毎日を楽しみに、お子さまもおうちの方も「自分を高められる」かつ「無理しない」、のびのび笑顔で過ごせる園に出会えますように!心から応援しています。