自己肯定感を育む子育て 「心理的安全性」のつくりかた

はじめに

「心理的安全性」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

Googleのプロジェクトでも有名になったこの言葉。複雑で環境変化の激しい世界で、心理的安全性がイノベーションや成長をもたらすことが実証され、世界中で注目を集めています。

実は、心理的安全性は子育てや教育においても重要な土台となります。子どもの自己肯定感を育むうえでも、鍵となる概念と言えるでしょう。

本記事では、企業研修で心理的安全性について教える機会も多いチエコトバ代表が、自己肯定感を育むために不可欠な心理的安全性のつくりかたについて解説します。

心理的安全性とは

心理的安全性とは何でしょうか?

心理的安全性とは「自分の意見や気持ちを安心して述べることができて、自分らしくいられる状態」のことです。

心理的安全性を一躍有名にしたのが、Google の実証実験です。2016年に「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」という研究結果が発表されたことで注目を集めました。

プロジェクト・アリストテレスと名付けられた5年にわたるGoogleのプロジェクトでは、「最高のチームをつくる要因は何か?」が検討されました。その結果、最高のチームをつくる要因は学歴でも、ジェンダーバランスでも、プライベートの交流度合いでもなく、心理的安全性だという結論に達したのです。もちろん、適切な目標設定やジェンダーバランスなども重要です。ただ、もしメンバーが心理的に安全だと思えなかったら、どれだけ他の要因が整っていても成果を上げることができなかったのです。


昨今では、成功する組織に心理的安全性は不可欠であるというのが共通認識となっています。

心理的安全性はイノベーションや成長をもたらす

心理的安全性が高い組織には、自分の意見や気持ちを安心して述べることができて、自分らしくいられる文化があります。そういった組織では、個人や集団の能力が最大限引き出され、高いパフォーマンスが発揮されそうだということは想像に難くないでしょう。

また、心理的安全性が高い組織では、「間違えたらどうしよう」「怒られるかも」という不安なしに、率直に考えを述べることができるので、ミスの低減にもつながります。


実際、世界中の様々な研究結果から

  • 心理的安全性が高い組織では、イノベーションにつながる斬新なアイデアが共有されやすいこと
  • 心理的安全性が高い組織ではミスが迅速に報告され、重大なリスクを小さくできること

が証明されています。

一方、心理的安全性が低い組織では、疑念や疑問があっても率直に言えません。そんなことを言えば仕返しされるんじゃないか、恥ずかしい思いをするんじゃないかといった不安がつきまとうからです。もし、医療や航空業界といった命に直結する組織でミスが迅速に報告されなかったら、大事故につながる可能性があります。
心理的安全性は、あらゆる組織において極めて重要な土台であることがわかります。

心理的安全性は子育てにおいても土台になる

ここまでは、組織における心理的安全性の話です。チエコトバ代表は様々な企業で主にリーダー層を対象に心理的安全性について研修をしてきました。そのなかで、心理的安全性は子育てや教育現場にも共通する重要な概念であることに気付きました。

自分の意見や気持ちを安心して述べることができて、自分らしくいられる―。

これは、子ども達を取り巻く全ての環境、組織、チームにおいて重要な土台ではないでしょうか。

子どもにも、自分の考えや気持ちを率直に述べても恥をかかない、失敗しても嫌われないと確信できる場が必要です。

そういう場では、自分らしくいられます。また、「自分の意見は価値を持っている」「自分は自分のままでいい」と思えることは、自己肯定感につながります。これは大人も子どもも同じです。

では、心理的安全性をどのように子育てに取り入れていけばいいのでしょうか?

組織では、リーダーから変わるというのが鉄則です。なぜなら、リーダーは心理的安全性をつくるうえで特に重要な役割を果たすからです。

家庭で心理的安全性を確保するためには、親がまず正直に気持ちを自己開示してみることもポイントになりそうです。「親とはこうあるべき」という固定概念を疑ってみるのもいいかもしれません。親だって失敗をします。イライラすることも、落ち込むこともあるし、時には感情のままに子どもを怒ってしまうこともあるかもしれません。完璧な親なんていません(筆者自身も親としては反省ばかり)。そういったことも率直に開示してみるのです。心理的安全性は、親自身の内面や行動を見つめ直すことにもつながり、家族がお互いに成長する考え方だと思います。

実際に、心理的安全性が高い組織のリーダーは共通して、チームメンバーの意見に謙虚に耳を傾ける、「知らない」「わからない」と言うことを恐れない、失敗から学ぼうとする姿勢があります。

やっぱり難しいな・・・と思われた方は、

「ここは安全な場だよ。だから、自分の思ったことや感じたことを素直に表現していいんだよ」

「あなたの話をちゃんと聞くよ」と言葉にしてわが子に伝えることから始めてみるのもいいかもしれません。

もちろん全てにおいて心理的安全性を確保するのは難しいかもしれません。多くの企業も、試行錯誤中です。でも、そうやって試行錯誤しながら一歩ずつ進むことが、心理的に安全な場を増やすことにつながるはずです。

子ども達を取り巻く環境を、物理的にはもちろん、心理的にも安心安全な場にしていきたいですね。

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