はじめに
こんにちは!10学年差姉弟がモンテッソーリ園生活を経験しているママライター・さっしーmamaです。
梅雨や猛暑で、おうちで過ごす時間が長くなる季節ですね。夏休みも始まって、おうち時間がさらに増える方も多いでしょう。毎日似たような遊びになったり、動画やゲームなどに頼ったりすることがどうしても多くなってしまうとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そんな時こそ、おうちモンテがおすすめです。今回ご紹介するのは「果物・野菜をテーマにしたおうちモンテ」です。いくつかの遊びを組み合わせることで、果物や野菜を見て・触って・食べて・表現して、多角的な視点で楽しめます。食育はもちろん、科学への探究心を育て、手指のコントロール力も高められます。
親子で楽しめるので、ぜひ気軽にチャレンジしてくださいね。
3ステップで探究!スイカをもっと楽しもう
まずは果物をテーマにしたおうちモンテです。夏の果物といえばやはり「スイカ」ですね!幼稚園・保育園のイベントなどでスイカわりをする方も多いかもしれません。わが家も昨年は、タネをうまく避けて食べられるかな…と気になって、スイカを食べる練習をしました。
そんな「スイカ」をもっと楽しめるおうちモンテをご紹介します。
ステップ1:スイカをじっくり「観察」して「食べる」お仕事

「スイカを楽しむおうちモンテ」のファーストステップは、スイカをいつもよりじっくり観察するお仕事です。中でも特に注目してほしいのが「タネのようす」です。これは、ステップ2と3がもっと楽しくなるためのポイントでもあります。
小さなお子様にとっては、厄介者にされがちなスイカのタネ。でも、どんなところにタネが多いかな?何個あるかな?と視点を変えるだけで、スイカのタネは見つけると嬉しい「お宝」に変わります。タネ1つで〇ポイント、白いタネは倍のポイントなどルールを決めて、家族で何ポイントGETできるか競争すると盛り上がります。
理想はやはり「食べて実感する」こと。スイカ丸ごと一個を半分にカットしてタネの分布を見るのがベストではありますが、高いし食べきれないことも多いですよね。そんな時は1/4や1/8カットのスイカをじっくり観察しながら切り分けるのも楽しいものです。タネの多いところとタネがない部分の食感の違いや、皮に近い部分の味の変化などを味わいながら食べるのがおすすめです。
スイカがおうちにない時には、インターネットでスイカの断面写真を探してタネを観察しても新たな発見があります。黄色いスイカは時折見かけますが、オレンジや果肉が二色、四角・三角のスイカ(鑑賞用が多いそうです)など、珍しいスイカがたくさん見つかりますよ。
ステップ2:シール貼りのお仕事でスイカを作ろう!

ステップ2では、モンテッソーリのお仕事でおなじみの「シール貼り」をアレンジしてスイカを作ります!普段の遊びはもちろん、七夕飾り・夏のカード・夏休み工作や絵日記に貼り付けるなど、あらゆるシーンに活用できます。おじいちゃん・おばあちゃんへの夏の便りとして送っても喜ばれるかもしれません。
赤と緑の色画用紙か折り紙を半円状に切って、赤をわずかに小さく切って貼り重ねれば「タネなしスイカ」の出来上がり。そこに黒いタネのシールを貼ってスイカを作るお仕事です。
今回は、別のシールの捨ててしまう余り枠部分を黒く塗り、タネのかたちに切ったエコなシールを使いましたが、市販の黒い丸型シールを活用するのもおすすめです。年齢によってシールのサイズ感を調整し、慣れたら小さくしていくことでより繊細な手指のコントロールにチャレンジできます。何回も楽しめてステップアップもしていけるし、毎年やると成長を感じられるので、いいですね。ちなみに今回はタネらしい形状の小さなシールだったので、年長児の息子いわく「激ムズレベル」だったそうです(笑)。
普段は枠に沿わせて貼ることも多いシール貼りですが、ここはあえて自由に!観察したスイカのイメージを活かして、どうしたらより「スイカらしく」なるか想像しながらタネを貼っていくと楽しさが倍増します。
ステップ3:今度は自分で!スイカの絵を描いてみよう
ステップ3は、スイカの絵を描いてみるチャレンジです。何も見ずに思い出して書くもよし、実際のスイカやシール貼りのスイカをじっくり観察して書くもよし。思いっきりのびのびとスイカを描いてみましょう。観察を踏まえて、想像して、絵に再現する-丁寧にステップを踏んで絵を描く経験は普段なかなかできない貴重な経験ではないでしょうか。

こうして並べると、いい夏の思い出写真になりますね。ちなみにわが子の今回の絵は「スイカ+火山=スイ火山」だそうです。(だじゃれかーい!と自分でつっこんでおりました(笑))そのため、赤が激しく、タネも多く、緑の部分が荒ぶっているそうです(笑)
観察は活かしつつも、正確さはもとめず、個々の想像力で、のびのびと表現して楽しむのが良いかもしれません。
「オクラスタンプ」で芸術家になろう!
今度は野菜に注目!普段は切って捨ててしまいがちな「オクラのヘタ」が大活躍します。ヘタの軸が持ち手になって、簡単に遊べるスタンプができるのをご存じですか?小さなお子さまにもおすすめのおうちモンテです。
今回も注目するのは「断面」の様子

スイカに引き続き、オクラも断面の様子に注目してみましょう。星型のような、お花にも見えるような、なんとも可愛らしい形をしていますね。少しだけ長めの位置でヘタを切り落としたこの右側のオクラが、そのままスタンプになります。
オクラを選ぶ時は、ヘタ上の軸部分が若干長めで、全体がやや硬めのものがおすすめ。そして、切ってからあまり時間がたたないうちが理想です。
スタンプで力をかけてもグニャッとならず、何度も押してもへたらずに長持ちします。
オクラスタンプで作品を作ろう!
モンテッソーリのお仕事でもおなじみのスタンプのお仕事を応用して、早速作品を作っていきましょう。
今回は、暑い日差しで珍しく6月に咲いたサルスベリを見つけたばかりだったので、オクラスタンプでサルスベリを再現することにしました。

まずはアウトラインとして、木の枝やつぼみ、実を緑のペンで書いておき、サルスベリの写真を見ながら、「サルスベリらしさ」を再現するようにスタンプを押します。

ちなみに今回、娘が書き初めに使った半紙が余っていたので、ツルツルでない面を使って用紙にしました。スタンプインク乗りがよく、小さなお子さまにも色がはっきり出やすいのでおすすめです。
さまざまな季節が表現できるオクラスタンプ
今回のオクラスタンプはサルスベリを表現してみました!ヒマワリ・アサガオなどと並んで夏らしい花の一つですね。

このオクラスタンプ、可愛らしい形のおかげでかなりオールマイティに使えます。最初はモンテッソーリ幼稚園で教えてもらった「アジサイ」の作品を作りました。ピンクや紫、最近よくあるグラデーションのスタンプパッドでもアジサイがきれいに作れそうですね。
他にも、春の「サクラ」や秋の「紅葉」、黒や紺の紙を使って「星空」や「雪景色」など、さまざまな四季の風景が表現できますよ!ぜひ試してみてくださいね。
絵本や図鑑を使って探究心をもっと伸ばそう!
今回は果物・野菜の「断面」に注目していますが、スイカやオクラだけでなく、他のものにも興味が広がるように絵本を活用するのがおすすめです。
見て・触って・読んで…本物と見比べてみよう

出典: かがくのとも「トマト」棚橋亜左子 作 福音館書店
果物と野菜の断面を知れる絵本には、おすすめがたくさんあります。
くだものどうぞ 作:きのした けい 絵:阿部 真由美 出版社:コクヨ
おやさいどうぞ 作:きのした けい 絵:阿部 真由美 出版社:コクヨ
息子が赤ちゃんのころに発売された絵本で、1歳頃からとても気に入って シリーズで集めた絵本です。「りんごをざくっ」「トマトをすぱっ」など、切るときの音とともに、しかけをめくって皮をむいたり、断面を見たりできます。せん切りなどの「トントントントン…」のところを楽しく読むと毎回子どもが大爆笑します!
やさいのおなか 作・絵:きうち かつ 出版社:福音館書店
野菜の断面を「おなか」と表現し、モノクロの絵で断面図クイズが展開されていく絵本です。だんだん難しくなっていく構成で、大人も思わず夢中になります。小学校の読み聞かせボランティアでも大人気の定番絵本で、これを読むとクラスが大盛り上がり、大歓声につつまれます(笑)
「かがくのとも」シリーズ 出版社:福音館書店
https://www.fukuinkan.co.jp/maga/detail_kagaku
植物や動物などさまざまなテーマを親しみやすいかたちで絵本にしてくれる「かがくのとも」シリーズ。野菜や食に関するテーマも面白くて秀逸です。断面だけでなく、種からの成長や、食べられるようになるまでの過程などについてもわかりやすく説明されていて、大人も知らないことがたくさん詰まっています。小さなお子さま向けの「ちいさなかがくのとも」もあります。
このように、絵本なども活用していろいろな果物・野菜を観察して、気になったものがあったらぜひ本物の果物や野菜を切ってみましょう。知識と体験がリンクするとより深く定着し、興味もどんどん広がります。
まとめ
今回は、おうち時間をもっと豊かにする「果物・野菜を使って楽しくおうちモンテ」がテーマでしたが、いかがだったでしょうか。
おうちモンテは大がかり・準備が大変そうというイメージを持たれがちですが、テーマを1つにしぼると気軽にできるものがいっぱいあります。特に、毎日の食事に関するテーマは親子で楽しみやすく、今回の「野菜のヘタ」など、食事の準備と兼ねられるもの・エコに楽しめるものもたくさんあります。
また、果物・野菜の断面のように、普段接しているのに意識して見ていないものを深められるのも、おうちモンテのいいところです。わが家でもおうちモンテを通して、親子でたくさん心に残る思い出作りができていると感じます。
憂鬱な雨や猛暑による長すぎるおうち時間を逆手に取って、この夏、気軽にできるおうちモンテを楽しんでみませんか。さっしーmamaのコラムはもちろん、チエコトバのInstagramでもおすすめのおうちモンテを紹介していくので、参考にしてくださいね。